俺の弟子が世界一と思ってたら気づけばプロポーズしていた「その時に花沢君のお酒が来たんですけど、それがまたおかしくて」
俺はモブに『すべらない話をしろ』なんて無茶ぶりをしておきながら、話の内容よりもモブの横顔に夢中になっていた。
酒が飲めるくらいに成長したモブは、なんていうか、バカみたいにかっこよくなった。
こうやって横に並んで歩くとよくわかるが、身長は俺と同じくらいにまで伸びた。
そのくせ体重は俺より重いというから驚きだ。だがその言葉を裏付けるように、半袖のTシャツから伸びる腕には、しなかやで形のいい筋肉が乗っている。
小さい頃の丸みを帯びたあどけない顔の輪郭はなくなり、スッと涼やかでシャープな顔立ちは、俺にとってはミケランジェロのダビデ像よりも美しかった。いやもうアフロディーテの域かもしれん。ボッティチェリのヴィーナス誕生、うん、あれだ。今度海に行ってでけえ貝殻に乗せてみよう。
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