【最霊】◯終い××家之墓がある。
線香の白い煙が、高く、青空へ還ってゆく。
少年と男が立ち去ったそこに遺るものは。
【◯終い】
少年、霊幻新隆は、孤児になるところを最上啓示に拾われた。
新隆を可愛がっていた父と姉が亡くなった。母はおかしくなって遺体で発見された。
たらい回しにされそうになっていたところを祖母に引き取られたが、新隆を慈しんでくれた彼女も間もなく亡くなった。
そこに、生前祖母と知り合いだったという最上啓示が現れたのだ。
新隆はその男を見た事があった。祖母と見たテレビに、疲れた顔で映っていた。
その日は遠くない雷が鳴っていた。地を揺らすかのような轟音を怖がる新隆に、畑でとれたスイカを切り分けてくれていた祖母が線香をたいた。
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