はじめてのともだち 初めての友達、はじめてのともだち、ハジメテノトモダチ。
友達だろ? と口にしたのはいつだったか。はっきりとこいつは友達だと思えたのはいつだったか。
おれが何しててもちょっとぉ! の一言で済ませて、決して捨てることはしない、瀬名泉という男。
どこで何をしてても、おれを探しに来ては、ほら行くよ、と手を引いてくれる、おれの唯一の友達。
いつ会いに行ってもひとりぼっちで、ひとりで頑張ってて、そのくせ誰にも心を開かない。それが面白くて、気づいたら好きになってた。知ってるか? あんなに冷たい目をしているのに、おれの前だと笑うんだぞ? お陰で音楽が溢れて仕方がないから曲にするしかないよな! って何曲も作ってたらまたセナが笑った。あんた変わってるねって。そんなおれと一緒にいるおまえも結構変わり者だと思うけどな? あ、おれたち変わり者同士だから、一緒にいてこんなに楽しいのか? 今日はどんな初めてをおれにくれるの、セナは? 毎日楽しくて仕方がないんだけど。
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