「アオイちゃん、好きです…!」
「気持ちは嬉しいけど…ごめんなさい。今は恋とか、そういうのは考えられなくて……」
「そ、そうだよね…聞いてくれてありがとう」
今月に入って何度目の告白だろうか。アオイは1学年下の男子生徒からの想いを断っていた。
誰の告白にもなびかず、バトルやポケモンの研究に熱心。どんなにカッコいいと言われている人でも玉砕することから、アオイは絶対王者という印象も相まって『難攻不落の新チャンピオン』なんて呼ばれていた。
「アオイ、また断ったん?」
「うん。恋愛感情がわからないのに、本気の気持ちに応えられないから。相手にも失礼だし」
「うんうん、わかるよ! 本気には本気で返したいもん!」
「マジネモい…それ絶対、バトルの話だし……」
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