あなたの姿「赤井秀一に変装したい?」
「はい。お願いします」
「なぜ私に頼むのかしら」
「あなたは変装の名手でしょう。教えを請うには適任かと思いまして」
「ふうん?じゃあもう一つ聞くわよ。なぜそこまでして、あの男を探すの?なぜ、生きていると思うの?」
「それ、二つじゃないですか」
「同じことよ。よく考えて。その答えによっては、手伝ってあげてもいいわ」
なぜ。なぜか。僕がライ……いや、赤井秀一を探すわけとは。生きている、と信じて疑わないのは。
「……会いたいから?」
「あら、正直なのね」
「えっ、わ、わわっ、今僕声に出してましたか!?」
「ええ。『会いたくて仕方ない』って」
「そうは言ってませんっ」
からかうような顔をしているのかと思ったら、そうじゃなかった。ベルモットの表情は、僕を気づかっていた。何で?まあいい、手伝ってくれることになったのだから。
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