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    めそ。

    @mesohigebu
    pixivに載せるほどでもない妄想置き場。

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    めそ。

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    ツイッターで呟いたドルオタワルイージ×アイドルルイージのパロディ。妄想殴り書き。

    #ワルルイ
    #パロディ
    parody

    ワルルイアイドルパロ 様々な挫折を繰り返し、人生に何の目標も持てず腐り切っていたワルイージ。そんな彼はある日たまたま目にした動画配信で、歌って踊る双子アイドル『スーパーマリオブラザーズ』の存在を知ることとなる。
     画面の向こうで優しく微笑みかけてくるルイージを見て、
    「……!!!!」
    と頭にサンダーハンドをくらったような衝撃を受けるワルイージ。
     一瞬で虜になってしまった彼は今までの腐りきった生活が嘘のように推し活に励むようになる。そして詳しくなるうちに、ブラザーズは兄であるマリオの方が圧倒的に人気があり、弟のルイージは地味で引き立て役だと一部で揶揄されていると知る。
     …が、そんなことは関係なく弟最推しで全力で応援するワルイージ。イベントやライブ会場に足しげく通い、最前列でルイージを応援する姿はファンの間でちょっとした話題に。(でかいから滅茶苦茶目立つ)

     ある日、イベント帰りに立ちよった喫茶店で、後ろの席の心ないファンがルイージの悪口を言っているのを聞いてしまう。
    「弟マジでいらねえよな。ブラザーズの人気マリオだけでもってんだろ。他のメンバー募集した方がいんじゃね?」
    「(ハァ?フザけんな!アイツがどんだけ身体能力高ぇと思ってんだ!マリオの規格外な動きについていけるのなんてルイージくらいなんだよ!そもそも弟がいるからマリオの兄貴キャラが引き立ってんだろーが!!)」
    「ビビリで一人だとなんにもできねーしな」
    「(ハァァア??怖がりなせいでアイツが心霊スポット探索企画されちまったときいちいち全部にビビリながらもずんずん進んでくからめちゃくちゃ撮れ高の良い動画に仕上がったんじゃねーか!アイツは一人でも十分行動力あんだよ!!勝手なこと言いやがって……)」
    「すぐチョーシのるしなぁ」
    「…………そこがいいんじゃねえか(ユラァ)」
    「!?」
    「テメェら、本人の努力も苦労もなんにも知らねぇくせに好き勝手言ってんじゃねえ…。ルイージの癒しオーラとひたむきさに救われてる奴もいんだよ……」
    「ッ!おい、こいつ例の弟ガチ勢の……!す、すみません、失礼しましたぁ!」
    「ッチ……」


    「あ、あの、スミマセン!」
    「アァ?………………ッッ!?!?!?」
     店を出たところで突然声をかけられ振り向くと、そこに立っていたのはなんとルイージ本人だった。
    「あのっ……ありがとうございました!」
    「!?」
     最推しに突然礼を言われカチコチに固まるワルイージ。どうやら例の輩がいた席の、ワルイージとは反対側に座って一人で食事していたらしい。必然的に先程の悪口も耳にすることになってしまったのだという。
    「ボク、ああいうこと言われるのしょっちゅうで……正直これ以上グループのイメージ下げて兄さんに迷惑かけるくらいなら辞めちゃおうかなって思ってたんですけど……」
    「んなっ!?」
    「でもっ!あの……さっきボクの為に割って入ってくれて……スゴく、嬉しかった」
    「!!」
    「それに……いつも、前の列で応援してくれてる人ですよね?アナタが全力で緑のペンライト振り回してるの見てると……元気出てくるんです」
    「……!(オレのこと、知って……)」
    「こんなボクでも……誰かを元気づけられてるのかなって思ったら、嬉しくて……あの、もう少し、兄さんと二人で頑張ってみようと思います!」
    「ゥァ……エト……」
    「今日は庇ってくださって、ありがとうございました!」
     頭を下げるルイージに、推しの前では挙動不審になってしまうワルイージはこれでもかと帽子を目深に被り「ア゛……ソノ…………オウエンシテマス……」とだけ伝えその場から立ち去ってしまうのであった……。



    ↓以下、書きたいところだけ妄想
    ※ストーカーに襲われているルイージをたまたま通りがかったワルイージが助けるシーン



    「失せろ……もう二度とコイツの前に姿現すんじゃねえ」

     床に捩じ伏せ、ナイフを持った右腕を捻り上げる。激痛に悲鳴を上げた男が刃物を落とす。その耳元に顔を近付け、呪詛を唱えるように喉を震わせた。
    「もしまた顔見せやがったら……どんだけ遠くに逃げても、オレがどこまででもテメェを追いかけて……――嬲り殺してやる」
    「ひいぃっ!!?」
     情けない声を発した男は、上から退いてやると足をもつれさせながらその場から去っていった。
     完全に気配が消えたことを確認してルイージの方に向き直ると、彼は震える手で口を押さえながらその場にへたり込んでいた。
     無理もない。突然刃物で脅され路地裏に連れ込まれるという恐ろしい体験をしたのだから。
    「ア、アノ…………」
     安心させようと声をかけるが、案の定どもった話し方しかできない。怯えた目をこちらに向け、ガタガタと体を震わせている姿が痛々しい。あの手の輩は自分が追い詰められる側であるという恐怖を植え付けた方が効果的かと思ったが、やはり再起不能なほどボコボコにし警察に突き出した方がよかったかと己の対処の甘さを反省する。
    「大丈夫、デスカ……?」
    「ッ!」
     ……それも、そうか。
     こちらの声にびくりと反応する様子を見て項垂れる。さっきの野郎を脅す姿を見ていれば、もはやどちらが悪者なのかわからないレベルだ。そうと知っていても、想い人から嫌われるというのは凄まじいダメージだった。
     やはり、ここは何も言わず立ち去った方がいい。――そう思った瞬間、視界に緑色が飛び込んでくる。

    「っ……うわあぁんっ……!!」
    「!?」

     突然抱き付いてきたルイージに目を見張る。勢いに負けその場に尻餅をついてしまった。
    「ゥア、エッ?……ソノ……」
     服にしがみつきわんわんと泣く彼に固まってしまう。手の届かない存在だと思っていた相手とこうして密着している。脳がキャパオーバーを起こしているうちに、胸元で響く泣き声がさらに大きくなった。

    「もう、もうっ……やだっっ……!!こんなのっ……!!」
    「!!」

     悲痛な叫びが胸を抉る。
     こういったことはもしかしたら初めてではないのかもしれない。何度も悪意に曝され、時にこうしてたちの悪い輩に目をつけられることも。
     感情豊かな彼が動画の中で涙ぐむところは何度も見てきた。けれど、今回の出来事はそれらとは種類も深刻さの度合いも違う。

    「うぇっ……!もぉっ…………やだ、よぉっ!こんな思い、するくらいならっ……!!」

    ――――やめてしまいたい。

     おそらくそう言いたかったであろう最後の一言だけは、かろうじて飲み込んでいた。ファンであるこちらに気をつかったのか、はたまた口にしてしまったら後戻りできなくなると思ったのか。どちらにしても。
     彼は、ひどく傷付いていた。
     どれだけ忙しくてもいつも笑顔を振り撒いている彼が、大きくしゃくり上げ、息も満足にできないほど泣き叫んでいる。
     あんな恐ろしい目に遭ったのだから当然だ。一生トラウマになってもおかしくない。自分に生きる希望をくれたその人は、今は他人から押し付けられた身勝手な欲望に怯え、震えていた。
    「ッ――……」
     噛み締めた唇から鉄の味がする。こんなとき、ファンとアイドルという関係でしかない自分の無力さが憎らしい。
     ここにいるのが兄のマリオだったなら、ためらわず抱き締めて励ましの限りを尽くすことができただろう。
     けれど、自分とルイージとの間にはそんな絆はない。片方が一方的に想いを寄せているだけの関係。伝える言葉一つ間違えるだけで、今度はこちらがストーカー扱いされてもおかしくないという危ういものだ。
    「――――っ…………」
     どうしたらいいか、全くわからない。今までまともに人付き合いをしてこなかったことがここにきて悔やまれる。深く傷付いている相手に、『やめるな』などと身勝手なことは言えない。『元気を出せ』などという軽すぎる言葉も。
     大切な人が限界まで追い詰められているというのに、かける言葉すら見つからない。
    (……何も、できないのか、オレは)
     あんなに、生きる楽しみをくれた人なのに。日々の生活に疲れ磨り減った心を、癒してくれた人なのに。

    「………………――――オレ、は、……」
    「……?」

     詰まった空気を吐き出すようにこぼした言葉に、彼がピクリと反応する。恐る恐る、その背中に手を添える。

    「オレは――…………アンタに会って、人生が変わった」
    「……え?」

     目を赤く腫らすその表情は、母親に縋る子供のようだった。
    「昔のオレは、ホントに……どうしようもない奴だった。自堕落で……なにもかも面倒臭がって……このままじゃダメだって気持ちはあんのに、何かを始める気力もなくて……」
    「……」
     ルイージがこちらを見たまま黙って話を聞いている。

    「でも、初めて動画でアンタを見たときから、景色が変わった」
    「!」

     圧倒的なパフォーマンスと、その難易度の高さを感じさせないほど軽やかに動く体。そして、自分を釘付けにした、笑顔。

    「アンタの出てる番組とか配信が見れると思うと、毎日が楽しくて……イベントが決まると、はやる気持ちが押さえらんなくて……仕事でどんだけクソみたいな目に遭っても、家に帰ればアンタの笑顔を見られるって思うと……耐えられた」

     傍から見たらイタいファンの自分語りにしか見えないだろう。けれど、オレができることはこれぐらいしかない。有名人である彼の苦労などきっと十分の一もわかってやれない。ずっと寄り添っているという約束もできない。

     今この場で語れることなど――自分のことだけなのだ。

     勝手に喋ってばかりで余計に怖がらせたかもしれない。いつでも離れていい、という意味で背に回していた腕を緩めたが、それに反比例するようにしがみつく手の力は強くなった。

    「……辛いなら、辞めていい。心が壊れてまでやる仕事じゃない。けど……アンタに救われた奴がたくさんいるってことだけは……忘れないでくれ」
    「――あ……」

     少しでもいいから、届いてくれ。
     どうか彼が後悔だけを残して去ることのないように。

    「舞台で見られなくなるのは少し、いや、正直かなりキツいが――」

     頭上にはコンクリートの壁と暗い空が広がるばかりで星の一つも見えない。それでも。

    「――アンタがどっかで幸せにやってくれてるなら、それでいい」

    「――っっ……!!」

     目の縁から、ぽろりと滴が落ちる。
     ルイージが俯き、声を殺す。しばらくそうしていたあと、呼吸を落ち着けた彼が何かを決意したような顔でこちらを真っ直ぐに見詰めた。

    「……ボク、続けます、この仕事。兄さんに誘われて始めたことだけど……やっぱり、好きなんです。みんなの笑顔見るのが」
    「そうか……」

     ……嬉しい。
     純粋な気持ちだが、これから彼が歩むであろう過酷な道を思うと複雑な心境になる。ただ、たとえ微力でも、自分のできる全てをかけて応援したい。迷いなく、そう思った。

    「それに……なんか、アナタの言葉聞いてたら……感動しちゃって。ボク……地味だとか、要らないとかっ……いろいろ、言われてきたけどっ……!」

     大きな瞳が再び滲み、輪郭がボヤける。純粋で優しい、彼の性格をそのまま現したような蒼。その色にどうしようもなく惹かれた。

    「……っ、こんな、ボクでもっ……!誰かを幸せに、して、あげられてたのかなって……!」

     こぼれ落ちる大粒の涙に「綺麗だな」などと失礼なことを思いながら、後頭部をぽんぽんと叩く。頭を埋められた辺りがじわりと濡れていく。ハンカチなど気の利いたものはもっていない。拭えるとしたら、己の服くらいしか。
     そう言い訳をしながら、柔らかいクセ毛を包みこんだ。

     落ち着いたルイージが、おずおずと顔を上げる。赤くなった目元が恥ずかしいのか少し視線を彷徨わせたあと、こちらを真っ直ぐに見据えた。
    「あの……アナタの名前と連絡先、教えてくれませんか?」
    「へあっ!?」
     突然の申し出に声が裏返る。
    「い、いや、オレは、その――……」
    「お願いします!危険を冒してまで助けてくれたのにお礼もしないままなんて、ボクが我慢できないんです!」
     いつになく強い意志を持った口調にたじろぐ。本来であればアイドルとファンが個人的に連絡先を交換するなどご法度だ。けれど、目の前の人物はこちらが答えるまで全く引く様子がない。

    「…………………………ワルイージ」

     根負けして伝えると、ルイージが少し驚いたように目をぱちくりとまたたかせた。

    「……名前、似てますね」
    「……ソッスネ……」

     俯き加減でボソリと、「なんだか運命感じちゃうなぁ……」と言った気がするのは、きっと幻聴だろう。
     あれよあれよという間に連絡先を交換し、自分のスマホにはまさかの最推しのIDが登録されてしまった。

    「ありがとうございます!」

     ……ああ、やめてくれ。そんな心底嬉しそうな顔をするのは。
     お礼云々の前に心臓が燃え尽きて死んでしまう。
    「――ぅわっ!」
    「!?」
     締め付けられる胸を押さえようとしたところで、ルイージの持っていたスマホが突然鳴り出す。画面に表示された赤いロゴは誰がかけてきたのか一目瞭然だった。
    「スミマセン、ちょっと……」
     申し訳なさそうに断りを入れた彼が、離れたところで通話を始める。相手はそうとう心配をしていたらしく、電話口からは『独りで帰るなってあれほど言っただろ!!』という怒鳴り声が聞こえてきた。何度か謝り続けた彼は、少しぐったりとした様子で電話を切った。
    「……兄貴か?」
    「はい、すぐ近くまで来てるって……あの!また連絡しますから!」
    「ア、その、オレは――」
    「絶対、しますから!!」
    「ア、ハイ……」
     もの凄い剣幕で言われ、つい頷いてしまう。
     数回念押しされながら、大通りに出たところで彼を見送る。

     何度もこちらを振り返りながら徐々に遠ざかる背中。 
     ネオンがチラつき時折ボヤけるその緑色を眺め、まるで隠れた星が悪戯に見せた夢のようだと思った。


    ※ストーカーは兄さんが一生後悔させました。
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