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    jf573jm4b

    @jf573jm4b

    こまつゆこです

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    天ふみの練習 書きかけ

    無変調 朝4時の空みたいだ。俺よりも長い時間を生きて、俺よりもいろんなものを見てきた天彦の瞳。天彦の瞳は、昼間の空と言うより、もっと、誰にも教えたくない感情とか、過ごし方を間違えた夜を越えた朝とか、そういうものを含んで僅かに光る朝4時の空に似ていると思う。
    「ふみやさん」
     俺の視線に気付いた天彦が微笑んで、目が細められる。天彦のベッドに腰掛ける俺の隣に腰を下ろす。なんでこんなにいい匂いがするんだろう。天彦はいつもいい匂いがするけれど、二人きりでいるときが一番いい匂いがする。チョコレートとか、キャラメルの匂いより好きな匂いができるなんて思ってなかった。
     あ。天彦の手が頬に触れる。これは。キスされる。反射みたいに目をぎゅっと瞑ってしまう俺を見て、天彦が「ふふ」と笑った。あれ。唇が来ない。
    「ん、」
     目を開けたタイミングで唇が触れた。
    「天彦……」
    「ごめんなさい、ふみやさんがあまりにも可愛いものだから」
     むっとしたような表情を浮かべる俺の頭を天彦の手が撫でる。子ども扱いみたいなのあんまり好きじゃないんだけど。これは子ども扱いじゃなくて、俺のことを愛してるからする行為だろ。天彦って優しいから、一つ一つの行為で、俺のことをいかに愛してるのかってことを教えてくれる。
    「もうしないの」
    「したいんですか?」
     言わせるなよ。眉間に皺を寄せれば、再び天彦が微笑んだ。なんか今日の天彦は意地悪だ。でも、意地悪をされても、それでも全然俺のことを愛してるっていうのが伝わってくるから不思議だ。
    「あ、」
     天彦の顔が近づいてくる。柔らかい唇が重なる心地良さに、僅かに腰を揺らした。舌が入ってきて、俺の体内に天彦の体温が侵入する。あったかい。あつい。気持ちいい。天彦の舌が俺の口の中で動く度にぴちゃぴちゃとはしたない音が響いて、天彦の手が俺の耳を塞ぐものだからその音が脳まで届いて。脳から思考が蕩けて、天彦のことしか考えられなくなる。
    「ぅ……」
     薄く涙の膜が張られた瞳で天彦を見つめる。もっとして。もっと触って。もう俺、天彦と一緒に気持ちよくなることしか考えられないよ。
     天彦の逞しい腕が、俺の身体をそっとベッドに押し倒す。天彦にだったら、強引に、乱暴にベッドに押し倒されるみたいなのされても全然いいんだけど。天彦って、絶対にそういうことしないよな。
    「ふ、ぅ……っ」
     乳首を弄られるの、好きだけど苦手だ。気持ちよさの逃し方が分からないから。だって、こんなところで気持ちよくなれるなんて、天彦に出会うまで知らなかった。気持ちいいんだけど、どうやって身体に力を込めていればいいか分からなくて。気持ち悪いくらい身体をくねらせてしまうし、変な声もいっぱい出してしまう。
    「あ、ぁ……っ、う、あ、うっ」
    「気持ちよくなれていい子ですね」
    「は、ぁ、あ……っ、あ、まひこ」
     いっぱいいっぱいになってるときに褒められると、どうすればいいか分からなくなるから、つい甘えてしまう。縋るように名前を呼べば、天彦は俺の唇に優しく口付けた。
    「も、はやく、下……」
     膝を擦り合わせながらねだる俺を見て、天彦の目が優しく細められて。
    (あ、)
     天彦の瞳に俺が映っている。天彦が、俺だけを見ている。天彦の瞳が、俺でいっぱいになっている。あの瞳を、俺が占領している。
     自覚した途端、一気に体内が熱くなって、天彦が恋しくて堪らなくなる。
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