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    軍雛プロット全部です。これだけ書いて満足していたので、尻叩きとして。

    1. 雛の違和感から始まる。
    最近起きるのが遅くなった。類と一緒に食事を取らなくなった。ゆるりとした衣服を好むようになった。そこらをパタパタと忙しなく歩き回って仕事をする姿を見なくなった。極めつけは、類に触れなくなった。
    おかしい、と雛と仲の良い侍女たちにも聞いてみるが、わからないという。でも確かに最近、針仕事ばかりをよくしている気がする、と。
    僕を嫌いになった?ここにいたくない?と聞いても、泣きそうな顔で首を振り、謝るだけ。その顔を見るのは類もつらく、あまり深く聞けない。
    雛が望むのなら、と物理的な距離を取ったが、それ以外は今までとあまり変わらなかった。
    しかし、類が一人眠る部屋に訪れては愛しげに、悲しげに類に触れ、口付けを送る雛が何を思うのか、類には理解ができなかった。

    2. 雛が屋敷の階段で足を踏み外す。咄嗟に手を伸ばした類の腕の中に収まり、ほう、と安堵の息をつく。が、直後、ぎょっとする。
    雛は、あまりに痩せ細っていた。
    その場で上の服を割り開く類に、雛も傍にいた家人たちも声を上げる。が、酷く骨の浮いたその身体に、雛は諦めたように顔を歪め、家人たちは息を飲んだ。
    病気か、国の医師のところへ、と急く類に、雛は首を振る。それだけで、類は雛が自身に何が起こっているのか理解していること、その上で類に話す気はないことを悟る。
    彼が一度決めたら何も話してくれないことは、知っていた。だから、類は、泣きそうな顔で抱きしめることしかできなかった。

    3. 一応類自身が調べることは許してくれたものの、何も異常は見つからない。
    それから雛はまた類が贈った服を着て、これまで以上に類にべったりと甘えるようになった。これまでの彼の行動は、すべてその身に起きている異常を悟らせないためだったのだと知った。
    日々、雛を失う恐怖の中、強く強く抱きしめる。(ここがほころびの最初)

    4. 戦場に類が駆り出されることとなった。とはいえ前線ではなく、直接指揮を執るというだけで危険はない。しかし、七日ほど屋敷を開けることとなる。今の雛の傍を離れたくないが、断れば立場が、引いては類の周囲や領地に暮らす人間が危なくなるだろう。悩む類の背を笑って押す雛に、すぐ戻るから、と約束して戦場へ。

    5. 戦場にて類の手腕は猛威を振るった。三日三晩ろくに眠りもせず戦の指揮を執るその姿は、もはや羅刹のようだったという。
    そして、勝鬨の声が上がった三日目の晩。急ぎ屋敷に戻ろうとする類に、一つの知らせが入る。

    そんな、嘘だ、嘘、だ。

    馬を駆り屋敷に戻った類を待っていたのは、がらんどうの冷たい部屋と、類の部屋に残されていたという空色の羽織り。

    雛は、消えてしまった。
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