学生時代は、一に部活二に部活。二人で過ごせる時間があっても、結局はストバスコートで気付けば一日過ごしていた、なんてこともざらにあったから、ど定番な「デート」というものは記憶を遡っても思い当たるものがなかった。
そんな若かりし頃を埋めるがごとく、先日引退を発表し指導者への道を選んだ恋人は、最近ベタなデートスポットへ行きたいというようになった。水族館、映画、ドライブ。どれも学生時代にも、遠距離恋愛時代にも足を向けることはなかったデート先だ。流川は、三井が望むことならなんでもしてやりたいし、なんでも叶えてやりたいと思っている。なのでお互いのオフが重なって、さあ出かけようという際は出来るだけ三井の意見を尊重するようにしているのだが。これは、どうなんだろうか……?
1974