紅い雪幻2リュールが小屋から出て行ってから、体力を消耗していたのか随分と眠ってしまっていた様だった。
また外は吹雪いてきてその風の音と肌寒さにブルっと震えながらパンドロは目を覚ました。
リュールが小屋の中を漁って見つけてきてくれた毛布を3枚かけていたがそれでも冷えるものは冷える。
砂漠の多い国で生まれ育ったパンドロにとっては照りつける太陽と暑さには充分慣れているが、この寒さと雪が降り積もって行く静けさにはどうしても慣れる事は出来ない。ましてや未だに毛布の下は何も纏っていない状態なのだ。
パンドロは横になっていた寝台から降りると冷え切った指先を擦り合わせながら古ぼけた暖炉のそばに干してある衣服が乾いたか触れてみた。
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