椅子からこぼれ落ちた金色の尾が、ゆらゆらと不規則に揺れている。その毛先が箒のように床を擦っている様を、トーランドはもどかしい気持ちで眺めていた。
　せっかく綺麗に整えられた金の毛束が、このままでは埃まみれになってしまう。すぐにでも手を伸ばして毛先を拾い上げたかったが、今そうするわけにはいかなかった。
　今はムリナールがついている席の隣で、小綺麗な服装に身を包み、ただただ会話の脇役に徹することこそが、トーランドに与えられた役目なのだ──


　遡ること、約二ヶ月。
　ムリナールがトーランドと出会ってからいくらか時は経ち、仲間と共に行動することにも慣れてきた頃の、とある夜のことだ。
　特に定めたわけではないものの、何となく拠点のようになっていた森の一角で、彼らはその日も野営をしていた。テントを張り火を焚き、それを囲んで狩ってきたばかりの獲物に食らいつく。ずいぶんと肌に馴染んできたそんな日常を享受しつつ、ハンターたちの会話の中で勃発した些細な口喧嘩の様子を眺めていたムリナールの頭の耳が、不意にぴくりと跳ねて外を向いた。

　食事の途中で不意にぴたりと止まったトーランドの手を、ムリナールはちらりと目の端で見遣った。
　ここ最近、トーランドがこうしてふと動きを止め、何か聞き入るような様子を見せることがしばしばある。たいていの場合はすぐに普段通りになるため、ムリナールは気になりつつもそのまま流していた。それが彼の種族──サルカズの血に起因するものであることは分かっていたからだ。
　しかし今回ばかりは、どうにも様子が違っていた。
　いつも以上に彼の表情は複雑に揺れ動き、そしてついには、止まった手に持っていたカトラリーをそっとテーブルに置いたのだ。
　歴史を紐解けば、サルカズが神民や先民とはルーツを異にすることは確かな事実だという。ロドスに籍を置く以上、そのあたりの情報はムリナールがあえて求めずとも自然と耳に入ってくる。ヴィクトリアでの動乱に臨み、サルカズのオペレーターたちが〝声〟を聞く姿を目にしたこともある。

　トーランドがほどいた髪の毛が、ぱさりとムリナールの頬に落ちる。ムリナールの世界は暗色の幕にまるく縁取られ、目に映るものは、自分に覆い被さる眼前の存在だけになった。
　この瞬間が好きだ、とムリナールは思う。
　バウンティハンター。サルカズ。指名手配犯。目の前の彼を表そうとすると、相応しい言葉はいくらでも溢れてくる。だがその彼が〝トーランド〟という呼び名だけになるのは、この一瞬以外、ムリナールには思いつかない。
　もしかすると、トーランドにとってのムリナールも同様なのかもしれない。
　相手が生きる広大な世界から、自分以外を閉め出してしまったかのような錯覚。年甲斐もなく頭をもたげる幼稚な独占欲が見せる、ほんの一瞬の夢想だ。現実には手に入らないものだからこそ、彼らはそんな一瞬を探して行為に耽る。衆目が彼らに許さぬ望みでも、ただの夢なら、誰に見咎められることもない。

权杖R“啊哈……啊哈……”橘发少年双手按在黑发少年的肩上，白色手套在主人的动作下绷紧，手下的黑色西装外套捏出褶皱。

“太宰……太宰……别弄了……呃啊——”中也惊喘一声，浑身一抖，脱力跨坐在太宰治的腿上，后者肩上的外套随着身上人的动作掉在地上。

中也头上的帽子早早地被放在桌上，橘色的碎发被汗水打湿，黏在皮肤上，下巴搁在太宰治的肩头，双唇微张喘息。“还有任务……”

“别动啊中也……”感觉到身上人准备起身，太宰治没有受伤的手从中也的裆部抬起来，按在他的大腿上，“中也是爽了，可是我还难受呢～”

中也已经坐起身了，低头就看到了抬头看他的太宰治的脸。屋里的灯光不算亮，但那只未被绷带遮住的鸢色眸子闪着光。

配上脸上的表情，像只黑猫……中也心想。

鬼缠①鬼宰，水煎

又到了盂兰盆节的大日子，公司给员工们都放了长假，返乡回去为节日做准备。

中也也不例外，工作群在下午就发布了一则通知，从十一号开始放假，连放一周，十八号开始要准时打卡上班，盂兰盆节的时常刚好是八月十三号到十六号。这也算是中也少有的小长假了，距离上次回家看望父母已有好几个月了。

给父母通完电话，中也收拾了几件换洗的衣服，只背了个背包，家里面的日常用品都有他的一份，这些都不需要另带，直接就开车回家了。

今年的盂兰盆节还是和往年一样热闹，中也到家的时候就看见父亲和母亲在院子，估计把家里的几个大桌子都搬出来了，上面摆满了各种各样的食材。

母亲的脸上沾了点面粉，父亲伸手给他擦了一下，结果自己刚刚也在揉面团，手上都是面粉，母亲脸上的面粉又变多了。看到父亲的手，母亲嗔怪着抬手往父亲脸上抹，后者只是笑着看着妻子，任由她动作。