死という概念がなくなったらどうなるのか「では、今日の授業はここまでです。速やかに退出するように」
4限の授業が終わり、放課後の時間。開いていたノートPCをカバンにしまい、俺はいつも通り部室に向かった。
「おいハック。今日はボクと一緒に幻影遊園(ファントムパーク)散策と洒落こもうではないか」
「……」
「聞いているのか?なぁ、ハック?」
気づいたら真後ろにいたサブローくんが俺の肩を叩いた。
「あ、サブローくんいたんすね」
「ボクは幽霊(ファントム)と会話したい訳じゃないんだよハック……」
なにか気の利いた事を言ったんだろう。でも、その話はいつものように右から入ってそのまま左に抜けていった。
この通り言っていることは理解していないが、雰囲気からなんとなく何かしらに誘われていたのはわかる。まぁ、どちらにせよ面倒くさいので断っておく。
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