ラブラブカップル♡してたら致した翌朝に前回の人生を思い出して頭を抱えるテスデイ 窓からは日が差し込んでいた。朝とは言い難い時間ではあるが、天気は晴れ、青と白のインクでざっと描きあげたような6月の空は少々目に痛い。そんな眩しさは勝るものの、清々しい一日の始まりに似つかわしくなく、男ふたりはベッドの上で頭を抱え唸っていた。
寝室のベッドで唸り声を上げているのはテスカトリポカとデイビット。彼らは恋人であり、ここらではちょっとした有名人だった。その『有名人』である理由が、彼らを打ちのめし、苦悶で顔を歪ませているのである。
「その様子だと、おまえも……」
「ああ」
デイビットが力のない声で問いかけてきたので、テスカトリポカは目線を合わせずに答えた。そこそこに平和な世界に生きるふたりは、本日めでたくひとつ前の人生の記憶を思い出してしまった。行った事への反省や後悔は無く、そのあたり彼らに羞恥を覚えるような点はない。
5189