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    Kaleo_992

    @Kaleo_992

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    タイトルに「セルフ二次創作」と書いているものはタイトル通りセルフ二次創作扱いです。

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    Kaleo_992

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    朝貢まんが元ネタ解説

    解説⚠下記URL先の漫画の解説となります⚠
    https://twitter.com/Kaleo_992/status/1684874885204672512t=dPfokfjjvqjDkH4vNmXUbA&s=19
    以上をご覧になった上での閲覧を推奨いたします。
    ちょっと長いです。


    まず、この話のメインとなる話をざっくり説明いたします。
    521年、新羅は梁へ朝貢へ行こうとしていました。しかし新羅は西の海(黄海)に接する領土を持っていなかった上に、北には高句麗が存在したため迂回ルートで行かなければいけませんでした。
    そこで新羅は、百済の領土を通らせてもらおうと考えます。百済も同時期に行こうとしていたのか、ついていったのかはわかりませんでしたが、百済側はOKを出したので一緒に行くことになります。
    当時この二国は同盟を組んでおり(第二次羅済同盟)、関係は悪くありませんでした。
    そのまま両国の使者は黄海を通り無事梁へたどり着きます。しかし、ここで問題が発生……。新羅の使者が中国語を話せなかったのです。百済の使者に通訳を頼みますが、ここでさらに問題が起こります。百済の使者はこの状況をいいことに、梁に対して「この国は新羅。我が国の属国です」と説明してしまいます。

    これが大筋となります。このエピソードがかわいかったので漫画にしたかったのですが、オチがなかったのでせっかくということでいろいろ脚色しました。
    以下はその脚色要素の元ネタの説明となります。

    まず一つ目。一枚目の二コマ目の新羅のセリフ(脳内)です。
    「こっちの方にも領土があれば。……漢江流域とかね」
    漢江流域はかつての百済領土でしたが、475年に漢城を落とされた際高句麗に奪われてしまった土地です。当時では、誇張抜きに漢江流域を持っているかいないかで国の興亡が決定するほど重要な土地でした。
    新羅はこの三十年後に同盟を破棄して漢江流域を百済から奪い、新州という地名として管轄下に起きます。
    この新羅の行動は唐突なものではなく、前々から漢江流域を欲していたという考えもあるのでここにあのセリフをぶち込んでみました。
    「同盟を破棄しよう」という邪な考えがもしかしたら新羅にあったのかもしれない、と解釈したので三コマ目で百済に呼びかけられ、四コマ目で焦っているのです。
    五コマの百済の言動は後ほど併せて説明致します。

    二つ目、全体的な百済の行動と描写です。
    百済の顔を見切らせているのはわざとです。三枚目までは一応新羅視点の話として描いているのですが、四枚目の百済のセリフにもある通りこの時期の二国は「伽耶地域(加羅諸国)のことで揉めすぎてる」んです。
    六世紀に入ったとほぼ同時に、百済は加羅諸国攻略を始めます。でも新羅も加羅諸国が欲しかったので、お互いに「邪魔するなよ」という雰囲気に発展していきました。また日本書紀には「五十三年、百済に任那加羅西部四カ国を割譲した」といった記述があります。こちらに関しては賛否両論あるのですが、この時期に百済は加羅諸国西部を手に入れました。となると新羅も焦っていきます。
    当時の新羅にとって、百済は「何を考えているかわからない」存在でした。だからわからない、その表情の裏では何を考えているか。ということで見切らせてみました。
    三枚目一コマ目の新羅のセリフ「嫌な予感しかしない」も、直前では感謝しつつも疑ってしまう、半信半疑な感情が現れています。
    先の話ですが、この後新羅に攻めいられた加羅諸国は百済に救援を求め、百済は援軍を出します(この援軍は加羅諸国を助けるためのものではなく、自分も加羅諸国が欲しいから救援したというものに近いようです)。結果、新羅と百済は同盟中にも関わらず、間接的ではあるものの対立することとなります。

    三つ目。先程と少し被りますが、百済の感情です。
    こちらは結果から勝手に妄想したものなので完全なる自解釈でしかないのですが、百済は同盟関係に固執していたんじゃないか、というものです。
    五五二年、百済は新羅と共に高句麗から漢江流域を奪い返すのですが、先程の通り翌年今度は新羅に奪われています。しかし当時の百済王である聖王には同盟関係をここで終わらせたいという気持ちはなく、王族を新羅に嫁がせるなどしてなんとか関係を保とうとします。しかしいくら新羅に「漢城を返して欲しい」と訴えても無視を決め込まれてしまい、さすがに我慢できなくなった聖王は新羅討伐を決行しますが新羅側の奇襲を受け亡くなります。ここで同盟関係は本当の終わりを告げてしまいました。
    以上のことからオチを想像してみました。カプ厨なので「もしかしたら百済は新羅との関係を続けたいから嘘言ったんじゃないか? 不器用な愛なのでは?」という邪なものですが……。そして状況からして百済だって同盟関係がもう短いこともわかってるかもしれない、とも。再度言いますが「少しでもこの関係を保ちたい」から「ボクの属国です」という嘘をついたのでは? といった"勝手な妄想"です。

    四つ目は散々言ってる「百済同月輪 新羅如月新」ネタです。加えて新羅の軍旗は月なことや新月に例えられていることから「見えている月を捕まえる=新羅を自分のものにする」というメンヘラ思考を描写してみたのですが、これに関しては本当に申し訳ないです。殴っても大丈夫です。すみません。

    結論、「梁への朝貢エピソードがかわいい!」というのと「新羅と百済のすれ違いが顕著になっていくの辛くて最悪で最高に好き」というものを共有したかっただけです。

    ここまで読んでくださりありがとうございました。

    【参考文献・サイト】
    三国史記 新羅本記 第四巻
    三国史記 百済本記 第四巻 第六巻
    韓国の歴史/水野俊平(河出書房新社)
    一冊でわかる韓国史/六反田豊(河出書房新社)
    古代朝鮮/井上秀雄(講談社学術文庫)
    梁書 第三巻(中国版Wikipediaで閲覧可)
    https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%A2%81%E6%9B%B8/%E5%8D%B703
    NamuWiki 나제동맹(韓国語サイト)
    https://namu.wiki/w/%EB%82%98%EC%A0%9C%EB%8F%99%EB%A7%B9
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