森のウワサ リスのリョータが住む森で、最近、妙なウワサが広がっている。
それは、森と湿地の境目にある大きな池に夜な夜なオバケが出るというもので『お月さまみたいな目が睨みつけてきた』だの『カタカタと変な音が聞こえてくる』だの『オバケは池をじっと見つめて動かない』だのと話題が尽きない。
好奇心旺盛なものたちが肝試しをしているそうだが、誰も真相を掴むことはできなかった。
オバケなんてばかばかしい。そんなの見間違いに決まってらとリョータは鼻で笑っていたのだが、妹のアンナはすっかりウワサを信じてしまい巣の中に引きこもってしまった。
「アンナぁ、そろそろエサ探しに行こうぜ。オバケが出るとしても夜だろうし。昼間なら平気だって」
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