たまにはこんな朝も悪くない❄️「おはよう、レン」
目が覚めて、キッチンへ行くとすでに仕事に行っているはずの恋人の姿。
🌹「今日撮影って……あぁリスケになったんだっけ?」
少しして昨日の会話を思い出す。
❄️「台風が来ているからな。お前もだろう?」
🌹「うん。野外撮影だったしね。何作ってるの?」
❄️「フレンチトーストだ。この前、カミュ先輩と話していたら食べたくなったのでな。おまえのは甘くないのを用意している」
🌹「ありがとう。なら、オレはコーヒー淹れるよ。カフェオレでいい?」
❄️「頼む」
***
🌹「ねぇ」
❄️「なんだ?」
食べ始めて少しすると、レンが真斗に声をかける。
🌹「一口ちょうだい」
❄️「甘いのに大丈夫か?」
🌹「うん。ちょうだい」
❄️「ほら」
真斗が一口分ナイフで切って、さらに移す。しかしレンは不服そうだ。
❄️「食べないのか?」
🌹「食べさせてくれないの?」
小首を傾げるあざとさは大人になるにつれ磨きがかかっている。多分食べさせるまで聞かないのは明白。もう一口切ってフォークに刺すとレンの口元まで持っていく。
❄️「どうだ?」
🌹「甘いね。けど美味しいよ」
昔は見ることができなかった柔らかな微笑みに、真斗の口角も自然と上がる。