ハッコウシティのホテル街。そこで見たのは、知らない男に腰を抱かれた恋人だった。
瞬間で沸き上がる血を僕は収める方法を知らない。
荒くなる呼吸音と戦慄く手は、さながら獣だった。
けれど街のど真ん中のここで怒号を飛ばすのはあまりにもガキくさくて。
今じゃあない。けど早く。
上書きしなきゃ。
「あれ、ハルトもう帰ってたのか!遅くなってごめんな!…てか、電気つけろよな」
僕が家に着いた15分後ぐらいに、恋人であるペパーは帰ってきた。さっきまで知らない人と歩いていた癖に。
「オレもう夕飯食ってきちまったけどさ。ハルトの分は用意してあるから、待たずにレンジでチンすれば良かったのに」
「いい。要らない」
「……え?」
僕の晩御飯をレンジに入れていたペパーに構わず、背後から思いきり腰を掴む。
「ちょ、急にな、何だよ!夕飯食わねーのか、よ」
「今はお前だよ」
「は、はぁ?」
今に及んでもこの男はご飯のことばかりだが、何故そんなに余裕綽々なんだ。今から食べられるのは美味しく調理されたものではなくて、お前自身なんだよ。
「なーんにもわかってないね。ペパーは」
返事も待たずにボクサーパンツごとズボンをずり下げる。筋肉量が多く、経験を経てまろくなった尻は僕専用であることを証明させたい。
「ま待って、はると、オレなんかした?」
「うるさいよ」
そう黙らせて触れた蕾は普段よりもひくついている気がした。
「何これ、解したの?」
「……うん」
はぁー。
重々しすぎるため息をつくと、ペパーはフルフルと震えてしまった。今この状況で怯えたって無駄だけど。
なんで?なんでだよ。もうヤったのか?嘘だろ?
嫉妬で身体が灼き切れそう。
ローションをたっぷり付け、いやらしいアナルに指を挿し込む。今日は本当に、ペパーの身体にわからせないと。ただ僕のちんこを入れるだけの準備なのに、快感を拾おうと揺れる腰がとても不快だ。
「そうやって誘ってたんだ?」
ボソッと言っただけだから、気持ちよくなりたいペパーには届いていなかったみたいで、必死になって媚びを売り続けている。
いつもなら前立腺を擦って、ペパーのちんこも扱いて可愛がるのに、全くもってそんな気持ちになれない。
指を増やして少しずつ拡げていく。嫉妬心に駆られてはいるけれど、切れて血が出ても良いことは何も無い。大体は拡げられたかなというところであっさりと指を抜く。ペパーは声を我慢しているのか知らないが、抜くだけで背中をゾクゾクさせていた。
雑魚まんこが。
バチュン!
「ぁっ!!」
いきなり僕の熱いちんこを突き挿せば、この雑魚まんこは良い声で啼いた。お気に入りの広いキッチンに手をついて、シンクに涎を垂れて。その顔でその中で、全部の僕を感じとろうとしている。
身長は僕の方が数cm高いので、だんだんとペパーの足が浮いてくる。こうして穿っている時が、いちばん独占欲が満たされていくことが自分自身でもよくわかる。
「ぁ、あ、んぁ、あ、ぁ」
「だからうるさいって」
いつもよりも幾分低い声で言うと、可哀想にペパーは必死に唇を噛んで耐えはじめた。まぁ舌を噛んでしまうよりマシかと思い、とりあえずは放っておく。あまりにも血が出始めてしまったら口枷でもしようか。
今は本当に、彼の声を聞きたくなかった。
肉と肉がぶつかり会う音。
普段は前戯もたっぷりして、この雌をとろとろにしてからゆっくりゆっくり頂くのだ。でもそんなこと出来ない。余裕なんて、とても。