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    wtr_fgo

    @wtr_fgo

    壁と喋る妖怪

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    その内描くポぐ♀微小特異点攻略話の冒頭。

    「怪我なし!水よし!食糧よし!同行サーヴァントだめ!」
    状況確認は大事だ。
    同行サーヴァントとはぐれてしまったが、携行品は失っていないし体力は十分ある。
    通信も阻害されてはいない。
    管制室からのナビゲーションを受けられるなら、一時的な分断は大きな問題ではない。
    「こちらから観測は出来てる。合流ポイントの座標を送るよ」
    「了解。敵影は見当たらないけど、どうです?」
    「近辺に魔物の気配はなし!小型の獣くらいさ。でも十分に気を付けて!」
    幸い気温も天候も安定しているが、獣道しかないような山中の移動である。
    そう離れてはいない合流ポイントまで、半日程度掛かりそうだ。
    軽く頬を叩いて気合を入れる。
    「ハイキング頑張りますか」
    「慣れたもんだな」
    「テスカトリポカと一緒だとほぼ毎回ですしね、そりゃあ慣れますよ」
    「そりゃあ何より。頼もしいな」
    「ふふーん、そうでしょそうでしょ……?」
    いつの間にか肩に小さな黒猫のような何かが乗っている。
    マスコットじみたそれが発する声はよく聞き慣れたもので。
    「ワーッ!!?何これ!!!?えっもしかしてジャガー???テスカトリポカ……?」
    「オレも流石に学んでね。レイシフト前に仕込んでおいたのさ。コンパスみたいなもんだ。本体のいる大まかな方向くらいはわかる」
    テスカトリポカの試練を呼び込む性質故か、レイシフト時にはぐれるのは恒例行事のようにもなっていた。
    合流に苦労した事も少なくはない。
    それを少しは気にしていたらしい。
    「べ、便利ぃ……」
    「戦闘能力には期待するなよ?行くべき道を示すナビゲーションさ」
    ニヤリと笑う姿に普段の彼が重なって見える。
    「はは……お喋りなナビだなぁ」
    「寂しくなくていいだろ?」
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