遠い星からKV前提。砂の星に住むヴァッシュと赤く染まったプラント。
おやすみ、ナイ。
あちらで眠って、此方で目を覚ます。薄暗い室内にはゆらゆらと赤い光が揺れている。瞬きを何度かしてから、背後の彼女に「おはよう」と挨拶すると、かすかな空気の振動が感じとれた。
ここには彼女と僕の二人きりだ。町の中央にある、ひび割れた壁と砂があるだけの部屋。かつて栄えたこの町も、すっかり寂れて住人はいなくなってしまった。この町に最後まで残っていた老夫婦は、名残惜し気に近くの街へ引っ越していった。しきりに残されるプラントを気に掛ける彼らを説得して見送ったのが五日前のこと。
「今回はね、友達に会ったよ。一緒に旅をしてた人たちなんだ」
1393