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    satoru1114s

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    『初めてはあなた』
    という作品のできているところまで掲載していきます。6月30日発行予定です。


    ※8万文字予定、キリの良い部分(おそらく5万文字程度)くらい載せる予定です。
    ※永田というモブがまぉまぁ出てきます。
    ※流川くんにセフレ♀がいます。
    ※二人が付き合っても付き合わなくても大丈夫な方向けですが、最後は盛大に?ラブコメです。流三です。
    本当に出るかなぁ…。

    #春みつ

    初めてはあなた(1) 1.疑惑7選
    「どうしたのよ? 朝からそんなにソワソワして」
     ソファに座ってスマートフォンを眺めていたら、後ろから彩子に声をかけられた。どうやら無意識に貧乏ゆすりをしていたみたいだ。よくない。
    「いや、今日三井サンがテレビに出るから不安でさ……しかも例の番組で……」
     そう伝えると、彩子は「ああ、例の……」と声を落とした。
     例の番組。それで伝わってしまうのは、前回の放送で大炎上、いや正確には大盛り上がりだろうか。sNSで連日話題になった為だ。最近は便利だ。アメリカに居たってスマートフォンのアプリで日本のテレビ番組を観ることができる。
    「もう変な質問とかなしで、炎上はしない……と思いたいわね」
     彩子の言葉に宮城が大きく頷いていると、スマートフォン画面から『春爛漫! スポーツ選手大集合!』という愉快な音声テロップと曲が流れ、テレビ番組のコーナーが始まった。

    「さぁ〜て始まりました! こちら日本バスケットを盛り上げる選手の皆さんです〜!」
     軽快なトークと共に選手が紹介されていく。画面には、三井と親しい見慣れた面々も何名かいた。
    「お、カンペが。なになに……『視聴者からの質問コーナーは、あまりにも三井選手への質問数が多くメールがパンクした為、三井選手と流川選手への質問をメインでお送りします』……何じゃそら」
     カンペを読み上げた大物芸人司会者の男性は手元の司会進行メモらしきものを確認し、「三井」と三井サンを呼びかけた。
    「はい」
    「今日の質問はきみと、ここにいない流川選手についてが9割だそうです。アナタ、流川選手の疑惑の人って呼ばれてるそうです」
    「はぁ……」
     なんだその変な渾名……。三井も同感なのか、少し戸惑った顔をしたが、周りの選手達は、「あ〜」と納得気な空気感だ。お気の毒に、という空気感でもあるが。
    「はい、じゃあ1は縦中横]個目、『流川選手とは今年も一緒に住んでるんでしょうか。お付き合いされている噂は本当でしょうか』……まだ一緒に住んでんだっけ君ら」
     一問目からこれ⁉︎ っていうかそこ聞くのかよ⁉︎ 前回はこの辺が明るみに出て大炎上もとい、大盛り上がりで、一時期三井サンはテレビ出演NGにしたと聞いている。
     三井は少し苦笑しながら質問に答えた。
    「はい。流川が帰国している時は、一緒に住んでます」
     キャー! という悲鳴と共に、一瞬観客席が映し出された。お手製なのか、三井♡流川なんていうタオルを持っている様子がチラリと映り、宮城は頭を抱えたくなった。
    「マジやん。付き合ってんのか」
    「いやいや、付き合ってるわけないでしょう」
     三井は軽かな口調で司会者の言葉を否定した。三井が流川と一緒に住むと聞いた時、宮城も全く同じ質問をして「そんなわけねぇだろ馬鹿野郎」と引かれた顔で三井に一蹴されたのを思い出す。
     司会者は三井の綺麗な返しに「何食い気味に言うとんねん。怪しいぞ」とひと笑い取りながら、話を深掘りしていく。
    「金ない芸人なら同棲もわかるけど、だって稼いでるでしょ?」
    「オフシーズンは1人だと寂しいんですよね。家にいるの」
     三井の返答に、周りの選手達の何人かは小さく笑って肩を落とした。いや、分かるぜ。『そんなの彼女作ればいいだろ』って全員思っている筈だ。
     周りから納得の得られない様子に、三井はさらに理由を説明し始める。
    「友達とか後輩とかチームメイトとも出かけますけど、家に誰かいるのって安心するんですよね」
     事実とは異なるが、真実をテレビで言うのは難しいので、これはこれがベストかもしれない。わざとらしく首を傾げる司会者に、三井は苦笑しながら付け加える。
    「アイツ……流川は本当に人の生活に興味がないので、一緒にいても楽なんですよ。時間合えば練習できるっていうのもありますけど……」
    「彼女は? モテるってタレコミがあるぞ?」
    「本気でバスケ優先で大丈夫な方なら、絶賛募集中です!」
     ガッツポーズを作りながらカメラ目線で宣言した三井に、会場のきゃーー!という黄色い音声が入る。司会者は敢えて悲鳴を無視しながら、次のフリップを読み上げた。
    「えーと、『流川選手が持っている御守りは三井選手からですか?』どうっでもええ。次、『二人で花火大会に一緒に行っているそうです』は? やっぱ違うやん、これは付き合ってるやろ⁉︎」
    「付き合ってないですって。ばあちゃん家に連れてっただけです。しかもそれ大学生の時の話ですよ……ばあちゃんが流川を気に入って、たま〜〜に連れて行きますけど」
    「まぁそれは普通にあるか。次、『2ショットの体勢がいつもこれですが、何故ですか?』……お前ら常にこの体勢か?」
     画面に、三井サンと流川がゼロ距離でくっ付いている写真が数枚映される。大抵、三井さんの肩に流川が後ろか横から寄りかかっている写真だ。三井サンの横に座っている選手がコメントを付け加えた。この人、確か三井サンの大学の先輩だったっけ。
    「これが通常運転ですよコイツらは。マジで。もう全員慣れました」
    「普通に、何というか、弟みたいな感じですかね、クソ生意気ですけど。これは大体、流川が時差ぼけで歩きながら寝てた時です。全部ではないです」
    「いや、説明されても意味は全く分からん」
     隣の選手は、冷やかしついでとも言わんばかりにニヤついた顔で三井に問いかける。
    「流川と、お風呂も一緒に入ってるらしいじゃん?」
     キャーーー‼︎ 音声編集で抑えてある筈だが、観客席の黄色なのか興奮の声なのか、今日一番の観客の悲鳴が入る。敢えての効果音なのかもしれない。
    「それ、次の質問にあったな。『お風呂に一緒に入ってるのは本当ですか?』」
     三井サンは質問を投げかけてきた隣の選手へ返事を返した。
    「たまーに? でも牧とだって一緒に入った事あるぜ。風呂つーかシャワーだけど」
     話を振ってくれるな、とでも言いたそうな表情をしながら、一段下の席に座っていた牧は三井の方へ顔を向けた。
    「あれは本当に最悪だった。どこの世界にシャワー室に押し入ってくる奴がいるんだ」
    「仕方ねーだろ! 混んでたし、すげぇ急いでたんだよ」
    「数分待てばいい話だ」
    「いや待てねー時だったんだって。別に、銭湯行ったら隣で湯浴びんだから一緒だろ。特に牧とはサウナ一緒に行くこともあんだから、別にいいだろ?」
     三井の返答に、牧の眉間に明らかに大きな皺ができる。その気持ち、わかるぜ……牧さん。何も一緒じゃねぇんだよ。普通に考えたら。
     牧は自分と同じ表情をしている司会者へ話を振った。
    「こういうちょっとズレたところもあるので、三井が流川と住んでて、風呂に一緒に入るのも不思議ではないですね。雑なんです。感性が」
    「おい!」
     他の選手達もうんうん。と頷き、牧の言葉を肯定する。冷静に、三井がこうだから仕方がないとアピールをする。
    「三井はそういう奴ですよ」
    「そうそう」
    「んだよ、誰しも一回くらいあるだろ? ありますよね?」
    「あるか!! オレには分からん世界つーことはよぉ分かった」
     少し拗ねた様子の三井から同意を求められ、司会者は芸人らしい綺麗なツッコミで返した。司会者は「次ぃ!」とだんだん投げやりに質問を続ける。
    「『NBAの試合を観に行って、流川選手の家に泊まったって本当ですか』一緒に住んでる時点でどうでもええっちゅーねん」
     司会者は三井に振る訳でもなく、手元のフリップをめくり、次の質問を読み上げる。
    「『ご両親同士も仲がよく、家族公認の仲だそうですが、本当ですか』なんなんこれ。……付き合いすっ飛ばして婚約ですか?」
    「いや、これはスケジュールを間違えて、家族が家に来る日がめちゃくちゃ被っただけです。母親達は意気投合して帰りましたけど、結構気まずかったですね……それを流川がSNSに上げたら、誤解されました。アイツ言葉足らずな所あるんで」
    「何やそれ」
     マジでそれ。なんだそれ。ツッコミ所が多い……。心の中で同意していると、三井サン胸の前で手を軽く広げながら、質問への返答を総括をした。
    「とりあえず! 本当に! オレ達は付き合ってないですから! アイツがここにいたら」
     アイツ=流川がここにいたら、と言う台詞だけで、観客席からキャーという悲鳴が上がる。三井は苦笑しながら切れたセリフを続けた。
    「いや、ここにいないですけど、いたら多分キレてますよ」
    「まぁ、三井くんと同居しているうちは、ファンも安心ってワケやな」
    「まぁそういうことですかね? アメリカで恋人いたら分かんないですけど」
    「だとよ! 分かったかお前らァ!! アメリカにおるで!!」
     司会者の煽り文句と、今日一番の女子の悲鳴をバックに、番組はコマーシャルに入った。
     
    (思ったより、大丈夫そうだったかな? というかみんな知ってる感がすげぇんだけど)
     コマーシャル明けは特に三井への質問もなく、他選手への質問やトークを展開し、和やかに番組は終了した。スマートフォン画面を閉じながら、一緒に見ていた彩子へ問う。
    「……アヤちゃん、これ本当に三井サンと流川、付き合ってねーと思う?」
    「本人が言ってるならそうじゃないの? ああ見えて、三井先輩はすごく面倒見がいいし。とりあえず、女性ファンに喜ばれる質問集って感じだったわね。前の放送で味をしめたのかしらね」
    「……はぁ、うん。だよね」
    (だぁ〜〜〜分かんねぇ。てか、永田の勘違いじゃねぇの?)
     先日、三井サンと一番仲の良い後輩、永田から聞いた話に宮城は頭を悩ませていた。
     永田の話を要約すると、三井サンは大学くらいから、片思いしている相手がいて、ずっと仲良くしてたけど、最近、精神的にしんどそうだ。もしかしたら実は恋人がいて、よくない恋をしているのかもしれない、という話だ。
    (正直スゲーどうでもいい)
     と一瞬思ったが。来年は日本代表の選考に入る。もし不倫とかよくない事になってるなら、カタを付けておくなら今がベストだと、永田は言っていた。
     不倫? そんな暇ねーだろ。流川と暮らしながらそんな事できるか? でも、永田は三井の良き後輩で、良き友人なのだ。その永田が心配しているという事は、三井から何かを読み取ったのだろう。
     三井は前回の国際試合の代表に選考されたものの、怪我の兼ね合いで、途中で外されてしまった。実力は十分だから、プライベートのアレコレなんかでヘマしてほしくない。それは宮城の本心でもあった。次こそは、久しぶりに三井と同じチームでバスケがしたい。なんだかんだ、あの人の事は、(ウザいけれど)良い先輩だと思っている。
    (しかし、長年片思いをしてるか、秘密の恋をしてるだぁ? あの人がぁ? そんな器用なことできるか? 相手にソッコーバレそうなタイプじゃね?) 
     女の子でそんな長年付き合いのある人間がいるとは到底思えない。影すらないし、ここ数年は流川と住んでいるから尚更だ。大学一、二年生の時に彼女はいたはずだから、二十歳から、という事を加味しても、該当しそうな相手が残念ながら流川か永田くらいしか思い付かない。
    それくらい女っ気がないし、男っ気はある。
    あんなに男っぽい三井サンだが、何故か男にモテる。ゲイを公言している海外の友達から三井サンが気になるから紹介してほしいと散々言われ、仕方なくそれを三井さんに伝えたら、『男だから無理』ではなく、『自分が好きな奴以外無理だ』と言って断わられた。今になって、その意味は三井サンは男もイケるのかと思い始めた。
       
    (高校からの親友、堀田サン達は全員結婚しているし、高校からの付き合いだしな…) 

     この話を永田から聞いているから、選択肢が必然的に流川になる。恋人ってーなら同棲も納得なんだよな。散々否定されたけど。 
     この二人は、疑惑だらけで逆に「白も白、真っ白。バスケバカ二人」だって認識だが、同性同士だから誰にも言っていないのかもしれない。なんだ、突然すげぇしっくりし始めたぞ。
     でも。さっきのテレビでの三井サンの発言を見る限り嘘は吐いてなさそうだった。そうすると、残りの選択肢は永田だ。
     三井サンが永田を好きだとしたら、流川と一緒にいるのもどうなんだ……?
     いや、もしくは全く、別でいるとか……?
     そもそも、三井サンと飲みに行っても、『恋人? いねぇわ。バスケが調子いいからそれどころじゃねぇ』と断言していたし、気になる人の話を聞くとウンザリした顔をしていた。だが、永田は『好きな人がいることは間違いない。ずっと話を聞いていた』と言っていたから想い人がいることは、間違いないのだろう。もし好きな人がいるなら、俺の前で三井サンが相手のことを口にしないのは、流川か、永田が好きだからだと思えば納得がいった。
     でなければ、その特徴くらいは言うだろう。好きな人がいる事を隠していた理由も合点がいく。

    ……ただ、永田と流川、どっちだ?
     
    (だああぁ…! もう…! ヒントなしでこれ以上わかるわけねー!)
     一人でごちゃごちゃ考えても仕方ない。実行あるのみだ。三井サンにカマかけることも考えたが、先に潰しておくべき人間に話を聞くことにした。
     宮城はスマートフォンのトークアプリを開き、疑惑の人の、バスケットボールのアイコンをタップした。軽快なコール音が数回流れた後、「はい」と主が電話に出る。相変わらずの淡々とした声だ。

    「あー、もしもし流川? 今度、そっちでのゲームの後、ちょっと会えねぇ?」

     ****
     
     今はまだシーズン真っ只中。明日も目の前の男と試合だというのに。流川ももちろんそれをわかっているので、最初は断られたが、三井サンのことで、と付け加えたら「……少しなら」と承諾を受けた。指定されたレストランで宮城だと伝えたら、個室に案内された。メニューを開くと、流川が部屋に入ってきた。
    「お疲れ様っス」
    「悪ぃな疲れてるところ。試合お疲れ。明日は負けねぇからな」
    「ウス」
     帽子を取って、流川が会釈をすると重力を受けて、サラリと髪の毛が流れる。さっきまでの汗だく状態だったなんて嘘に思える程、相も変わらず美しいという形容詞がよく似合う。
     流川とは付き合いは長いが、バスケ以外でこの男が何を考えているかは、正直未だに何一つ分からない。
     アメリカに来たもの同士、時々飯を食ったりもしているが、いつも花道と喧嘩をするか、バスケの話をして終わりだ。
    『バスケが上手い。バスケ一筋』それが俺が知ってる流川楓の全て。
    プライベートで知ってることなんてこれっぽっちもない。今日だって、とんでもなく洒落たレストランを指定されて何事かと思ったが、どうやら個室を選んでくれたようだった。周りには日本語だから分からないだろうと思っていたが、その辺りは、やはり有名選手なだけある。昔の流川なら、絶対にそんなことはしなかったと思う。『わざわざ個室まで取らせて、こんな話をされるとは』とか。『下らねー』と一瞥されそうな予感を感じながらも、注文をした後、早速流川に話をぶつけた。
     
    「流川。この際だからちゃんと聞いておきてーんだけどよ」
    「何すか」
    「お前、三井サンと付き合ってる?」
    「付き合ってねぇっす」
     即答だし、これも嘘には見えねー……まぁ、流川が嘘付いてても見分けられる気はしねぇけど。
    「じゃあよ、世間騒がせてるこの噂話はなんだよ。もういい加減、真相聞かせろ。発端はお前のSNSだろ?」
     『疑惑7選』と書かれた紙を見て、流川は少し呆れた表情で宮城に返した。
    「キチョウメンっすね」
     暇なのか、と言われないだけ、まだ優しいのかもしれない。
    「ハッキリさせてーのよ。その上で相談したいこともあるし……」
    「相談、なんのすか」
    「……それを話すかどうか、内容聞いてから判断してぇんだって。ていうか、お前、高校ん時、三井サンとマジでそんな仲良くなかったよな? 何があったんだよ?」
     
     
     怪訝な表情の宮城に、流川は深い溜息を吐きながら、三井との過去を語った。
     
     
     
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    satoru1114s

    PROGRESS『初めてはあなた』
    という作品のできているところまで掲載していきます。6月30日発行予定です。


    ※8万文字予定、キリの良い部分(おそらく5万文字程度)くらい載せる予定です。
    ※永田というモブがまぉまぁ出てきます。
    ※流川くんにセフレ♀がいます。
    ※二人が付き合っても付き合わなくても大丈夫な方向けですが、最後は盛大に?ラブコメです。流三です。
    本当に出るかなぁ…。
    初めてはあなた(1) 1.疑惑7選
    「どうしたのよ? 朝からそんなにソワソワして」
     ソファに座ってスマートフォンを眺めていたら、後ろから彩子に声をかけられた。どうやら無意識に貧乏ゆすりをしていたみたいだ。よくない。
    「いや、今日三井サンがテレビに出るから不安でさ……しかも例の番組で……」
     そう伝えると、彩子は「ああ、例の……」と声を落とした。
     例の番組。それで伝わってしまうのは、前回の放送で大炎上、いや正確には大盛り上がりだろうか。sNSで連日話題になった為だ。最近は便利だ。アメリカに居たってスマートフォンのアプリで日本のテレビ番組を観ることができる。
    「もう変な質問とかなしで、炎上はしない……と思いたいわね」
     彩子の言葉に宮城が大きく頷いていると、スマートフォン画面から『春爛漫! スポーツ選手大集合!』という愉快な音声テロップと曲が流れ、テレビ番組のコーナーが始まった。
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    PROGRESS『初めてはあなた』
    という作品のできているところまで掲載していきます。6月30日発行予定です。


    ※8万文字予定、キリの良い部分(おそらく5万文字程度)くらい載せる予定です。
    ※永田というモブがまぉまぁ出てきます。
    ※流川くんにセフレ♀がいます。
    ※二人が付き合っても付き合わなくても大丈夫な方向けですが、最後は盛大に?ラブコメです。流三です。
    本当に出るかなぁ…。
    初めてはあなた(1) 1.疑惑7選
    「どうしたのよ? 朝からそんなにソワソワして」
     ソファに座ってスマートフォンを眺めていたら、後ろから彩子に声をかけられた。どうやら無意識に貧乏ゆすりをしていたみたいだ。よくない。
    「いや、今日三井サンがテレビに出るから不安でさ……しかも例の番組で……」
     そう伝えると、彩子は「ああ、例の……」と声を落とした。
     例の番組。それで伝わってしまうのは、前回の放送で大炎上、いや正確には大盛り上がりだろうか。sNSで連日話題になった為だ。最近は便利だ。アメリカに居たってスマートフォンのアプリで日本のテレビ番組を観ることができる。
    「もう変な質問とかなしで、炎上はしない……と思いたいわね」
     彩子の言葉に宮城が大きく頷いていると、スマートフォン画面から『春爛漫! スポーツ選手大集合!』という愉快な音声テロップと曲が流れ、テレビ番組のコーナーが始まった。
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