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    🪦村川🪦

    twst中心二次創作用垢/20↑/twst→🌸監(男装♀)で文章書いたり妄想したり。🦁さんの夢女。🐚寮箱推し気味ですが皆大好き/おべいみにどハマり中。次男と🌸MCちゃん推しで四男六男の夢女/のんびりまったり/腐×ですごめんなさい/アイコンは@tunral様よりお借りしています/FRBご自由に/お友達募集中です

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    🪦村川🪦

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    おべみ四男中心夢になる予定の前日譚。
    ※がっつり個性あり夢主&MCがいる
    ※MCのデフォ名あり(伊吹)
    ※L20クリア済みの方向け
    ※村川本人は現在21-5あたり

    #夢小説@村川
    dreamNovel@Murakawa

    猫はただ、のんびりと暮らしていた。
    主人(あるじ)は平凡で人畜無害で心の優しい人間の女で、一人暮らしをするのだと言い出した時はどうついて行こうかと画策したものだったが、結果的に主人自ら猫を連れて行ってくれたので、のんびりとした二人暮らしをそこそこ楽しんでいた。
    主人は朝に出かけて夕と夜の間くらいに帰ってくる。留守の間は家を守っている時もあったし、気ままに散歩に出たり、主人の様子を見に行ったりもした。情報収集、縄張りの見回り、無意味に街を散策したりもした。そんな穏やかな日常は一変する。
    主人が帰って来なくなった。
    猫は待った。大人しく待っていたわけではない。探し歩いて、住処に戻って、探し歩いてはまた戻った。どこにも主人の足跡はなく、そうこうしているうちに主人の実家へと戻された。
    そこでの会話からすると、主人は留学をしたらしい。
    おかしい。主人は猫には何でも話す。その日あった出来事、自分の気持ち、今後の予定、楽しいことも辛いこともなんでもないことも何でも話す。その主人が、猫に何も言わずに留学などという一大事へと旅立つはずがない。そもそも、部屋の片付けも荷物のまとめも、猫をどこかへーーそれこそ実家へと預ける算段も何もなく、ある日忽然と消えたのだ。その理由が留学などであるはずがない。
    けれど、強烈な違和感を持っているのは猫だけのようで、人間達は主人のいない日常を変わらず呑気に過ごしていた。
    おかしい。おかしいおかしいおかしい。
    けれど猫には何の手段もなく、手がかりもなかった。毎日主人の気配を辿ることを日課としたが、それはついぞ実を結ぶことはなかった。

    そして一年後。

    姿を消した主人はひょっこりと戻ってきた。
    留学期間終了、という体(てい)で。

    「にゃごちゃん! 久しぶり、会いたかった……!」
    猫を抱き上げ笑う顔は一年前より少し大人びていて、けれど声の優しさは少しも損なわれていない。
    毛艶、血色、肉付きから察するに、丁重に扱われていたようだった。
    その身体へと重くまとわりつく何かの思念。悪さをしようものならたちまち喰らい尽くされてしまうであろう黒い靄は、まるで主人を守るようにしていてとても不愉快だったが、猫は身動ぎもせず主人の腕に抱かれていた。
    数日後に一人暮らしーー否、二人暮らしの家へと戻ると、見計らっていたかのように電子音が鳴った。主人は顔を輝かせ、いそいそと見慣れぬ機械を手に取り耳へと当てる。
    聞き覚えのない声。親しげな会話。
    犯人はこいつか。
    猫は怒りを抱いた。主人の口から出る「マモン」という名前。マモン。おまえか。おまえが。
    通話を切り、主人は猫へと話しかける。
    「ごめんねにゃごちゃん、今の電話の相手はね、マモンっていって」
    そして主人がその日の昼飯を作っている間、ずっと語り聞かせてくれた話は、荒唐無稽な作り話と一蹴するのは簡単だが、おそらく実際にあったことで、主人はそれはそれは楽しそうに『魔界』での生活とそこで出会った『七人の悪魔兄弟』や『天使たち』や『殿下と執事』のことをぽんぽんと口に出すので、猫は相槌のように時折にゃあと鳴いては、今後はできるだけ主人の側で不測の事態に備えようと強く心に決めるのだった。


    不測の事態は、案外すぐにやってきた。
    散歩をする主人に付き従って歩いていた猫は、かかってきた電話に主人が足を止めたため、じっとそれを見上げて待っていた。
    終わったと思った瞬間、見知らぬ男が主人に近付いた。気配がなかった。不覚、考える間も無く猫は動く。何やら話をした男は主人の手を取る。その間に強引に割り込む。見開かれた二対の瞳。浮遊感。そして落下。
    もう二度と、主人と離されてなるものか。
    落下予測地点には人がいた。主人が怪我をすることはなさそうだ。そう判断し、猫は別の人間の頭を借りて衝撃を殺す。
    「いっっってえ!!」
    声に聞き覚えがあった。マモン、諸悪の根源。
    ぎ、とそちらを睨む。主人を受け止め、顔を輝かせて再会を喜ぶ男。周囲の男達も歓声を上げる。マモンですら、怒りを忘れて喜色に満ちた声を主人にかけている。こちらのことなど、気にも留めていない。
    ふと、その中の一人と目が合った。
    涼やかな目元はみるみるうちに愛おしげに細められ、甘い声が耳を擽る。
    「どこから迷い込んできたのかな、可愛い猫さん。こっちにおいで」
    差し出される手に牙を剥く。主人が名を呼ぶ。
    「にゃごちゃん!」
    「え、にゃごちゃんって、伊吹が話してた飼い猫の?」
    「一緒に着いてきちゃったんだな」
    「どこどこ!? 僕もにゃごちゃん見たーい!」
    口々に呼ばれる名前。うるさい、うるさいうるさいうるさい。
    それは主人がつけてくれた名で、お前たちが。お前たちなんかが。
    「ーー気安く、呼ぶな……!」

    耳の中にどろりとした何かを流し込まれるような、怒りと怨みに満ちた声だった。
    ぞわりと粟立った肌をさすり、アスモデウスは困惑の声を上げる。
    「なに、今の声。誰?」
    答えはない。誰もわからないのだから当然だ。
    視界の隅で黒猫の影が膨張した。一番近くにいたサタン、ソロモン、そしてマモンが伊吹を守るように位置を変える。
    「あいつ、魔物……?」
    「わからない。魔物とは違う、気がする」
    ベルフェゴールとベルゼブブが小声でやり取りをする中、影はどんどん大きくなっていく。バルバトスの後ろで、ともすれば呑気に聞こえるほどの穏やかさでディアボロが言葉を零した。
    「これは、珍しいな」
    影が融けていく。瞳の輝きと濡れたような髪の黒のみを面影として残して、現れたのは獣の耳と四本の尾を持った人型の女だった。
    苛立ちと嫌悪を隠さず、怒りを込めた声で女は告げる。
    「主人から離れろ……!」
    「あるじ?」
    「あるじって……」
    レヴィアタンとマモンが同じ方向を見る。他の悪魔達も同様で、視線を浴びた伊吹はぽかんと口を開けたまま、己の飼い猫が居たはずの空間に出現した女へ間の抜けた問いを投げかけた。
    「……あの、どちら様でしょうか……?」

    あの時の顔は実に可愛らしかったと、後に本人不在の所でサタンは語っている。
    へにゃりと耳を伏せ、どこか拗ねたような表情をしながら、女は伊吹から貰った名を愛おしげに、誇らしげに、縋るように告げた。
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    🪦村川🪦

    DONEおべみ四男中心夢になる予定の前日譚。
    ※がっつり個性あり夢主&MCがいる
    ※MCのデフォ名あり(伊吹)
    ※L20クリア済みの方向け
    ※村川本人は現在21-5あたり
    猫はただ、のんびりと暮らしていた。
    主人(あるじ)は平凡で人畜無害で心の優しい人間の女で、一人暮らしをするのだと言い出した時はどうついて行こうかと画策したものだったが、結果的に主人自ら猫を連れて行ってくれたので、のんびりとした二人暮らしをそこそこ楽しんでいた。
    主人は朝に出かけて夕と夜の間くらいに帰ってくる。留守の間は家を守っている時もあったし、気ままに散歩に出たり、主人の様子を見に行ったりもした。情報収集、縄張りの見回り、無意味に街を散策したりもした。そんな穏やかな日常は一変する。
    主人が帰って来なくなった。
    猫は待った。大人しく待っていたわけではない。探し歩いて、住処に戻って、探し歩いてはまた戻った。どこにも主人の足跡はなく、そうこうしているうちに主人の実家へと戻された。
    そこでの会話からすると、主人は留学をしたらしい。
    おかしい。主人は猫には何でも話す。その日あった出来事、自分の気持ち、今後の予定、楽しいことも辛いこともなんでもないことも何でも話す。その主人が、猫に何も言わずに留学などという一大事へと旅立つはずがない。そもそも、部屋の片付けも荷物のまとめも、猫をどこかへーーそれこ 2570

    🪦村川🪦

    DONEおべみ四男中心夢。
    ※がっつり個性あり夢主&MCがいる
    ※夢主はMCが人間界で飼ってた黒猫。正体は猫又
    ※猫を前にした四男のテンションを掴みかねている
    ※今作では次男の扱いが雑
    猫の日習作



    どこの世界でも、縄張り争いというのは等しく起こるものらしい。
    ひび割れたガラスのようなずれた音が煩わしくて、猫は不愉快げに目を細める。その態度すら気に入らなかったのか、猫を囲むように立っている黒い靄を纏った悪魔たちはまたぎいぎいと騒いだ。
    「なんだその顔は」
    「お前などが近付いていい場所では」
    「あの方々をどなただと心得るか」
    「テメーなんて引き裂いて食ってやっても」
    今は頭上にない耳をぴるぴると動かしたい気分だった。億劫そうに睥睨して、猫はあくまで穏便に済ませようと口を開く。
    「……つまり、あの屋敷に、あの七人に近付くなと、そう言いたいのだろう?」
    「そうだ」
    「物分かりがいいな」
    「その通りだ」
    不協和音が勢いを増す。どうしたものかと猫は考える。散歩から帰宅途中の突然の因縁。別にあの屋敷にもあの七人にも特に何の未練も感情もないのだ。そこに含まれていないただ一人を除いて。
    「あの七人に近付かないことはできる。ただ、あの屋敷に近付かないのは無理だ。主人(あるじ)がそこにいるからな。帰らねばならない」
    「主人だと!?」
    「どのお方に仕えたのだ!?」
    空気が一転して友好ム 3158

    🪦村川🪦

    MOURNINGレオナさん夢…10ヶ月前に書いたやつ…夢主のキャラもレオナさんのキャラもうまく掴めず挫折したやつ…リヴィエール(夢主)はちゃんとどこかで書き切りたいなあ…供養供養…
    しかし私の中の初期の監、こんな感じだったんだなあ笑
    「断る」
    事情説明後の冷たい第一声に、斜め前のジャックくんの耳がピンと伸びて毛が逆立つのがわかった。まあそりゃあそうですよね、とどこか他人事のように思う。纏めてきた荷物が地味に重い。そんなに入っていないはずなんだけど。
    薄ぼんやりした頭の中に「第一部屋がねえだろ。空いてる部屋は物置になってる。今から片付けてたら朝になっちまうぞ」というレオナ先輩の声が響いた。ねむい。今から片付けはちょっと無理そうだけど、この際物置でもいいから端っこで寝かせてくれないだろうか。というか本当に荷物が重い。目線をそちらに向ければちゃっかり乗っかっているグリムがいた。そりゃ重いわけだ。下ろそう。
    「じゃあレオナさんの部屋に泊めればいいんじゃないッスか?」
    この声はラギー先輩だな。レオナ先輩のお部屋なんて恐れ多くて眠れない。いやウソです今ならどこでも5秒で眠れる。大丈夫。ほんとこの談話室のソファー…いや贅沢は言わないのですみっこを、すみっこを貸してほしい。レオナ先輩とラギー先輩が言い合っている。グリムを下ろすにはまず床に荷物をおかないといけないんだけど怒られるかな。とばっちりは勘弁だな…。
    「レオナ、部屋に泊めて 1616

    🪦村川🪦

    MAIKINGイド監に挑戦しようと思って躓いてる書きかけ三人は「なかよし」


    立てば上品座れば紳士、歩く姿も擬態済み。お触り禁止の確信犯、咬魚の片割れジェイド・リーチ。
    立てば気紛れ座れば暴君、歩く姿は破壊神。誰が言ったか愉快犯、咬魚の片割れフロイド・リーチ。
    決して善良とは言えないNECの生徒が口を揃えて唱える言葉。
    『リーチ兄弟(あいつら)には関わるな』
    脅しに暴力なんでもござれ、証拠隠滅どんとこい。気に入られても疎まれてもどちらも末は地獄行き。厄介極まりないこの兄弟に最近捕まった運のない人間といえば、誰もが口を揃えてオンボロ寮の監督生の名を挙げる。
    弟のリーチに後ろから抱きつかれ「小エビちゃーん!」と絞めあげられているその姿。おやおやフロイド、手加減しないと監督生さんも苦しそうですよ。と口を出すものの手助けをする気配は微塵もなくにこにこと眺めているだけのリーチ兄。男子校で唯一の異性である彼女を双子が気に入っておもちゃにしていることは誰の目にも明らかだった。同情はすれど助けはしない。弱肉強食が世の常だ。それは監督生にとって数少ない味方である友人達にも適用される。一学年上で腕力も魔力も優れているリーチ兄弟にとって、彼らは紛れもなく弱者だ 634

    🪦村川🪦

    MAIKING四男とMCの話。オチを見失っている。見直してないから口調違うかも。サタンがMCに頼まれて媚薬を作る話


    期待か緊張か、或いはその両方か。
    珍しく顔を硬らせて、しかし瞳にだけはきらきらと生気を湛えながら、目の前の少女はもう一度同じ言葉を口にする。
    「サタンに、媚薬を作って欲しい」
    先程言われた言葉と一言一句違わない。脳に全く染み込まない、右耳から入って左耳から出ていくような感覚にサタンは思わず天を仰いだ。
    「ご、ごめん、こんなこと頼めるのサタンしかいなくて」
    少しだけ気分が上向く。頼られるのは悪くない。
    一番適任なのはアスモだ。何せ色欲の悪魔、気が向いたらその類の商品の監修もしているのは有名な話である。しかし、彼に頼んだら最後、使用用途から対象から事細かに訊かれるに決まっているし、なんだかんだと丸め込まれて自分に盛られた上にどうにかされてしまう可能性も十二分にあり得る。ーーそこまで考えて、過ぎってしまう想像。まさか相手はアスモなのでは? だからアスモには頼めなくてこちらに来たのでは?
    口の端が歪む。
    「……相手は人間? それとも天使? 悪魔? 動物?」
    「動物ではないけど……それ、言わないとだめ?」
    「だめだ。人間相手に悪魔(おれたち)用の分量で作っ 2685

    🪦村川🪦

    MAIKING監のためにラップバトルをするジェの話。ぺとりさんへのお題作品。収集がつかねえ。始まる 拍動 怒涛


    監督生はスマホを所持していなかった。オンボロ寮にテレビなどはなく、この世界のあれこれは図書館で借りてきた本から情報を得ていた。なので最新のヒットチャートや流行りの服やトレンドなどは全く知らず、ケイトやエースから話を聞いたりたまにスマホを借りて映像を見るなどするくらいであった。
    そんな生活が、学園長からスマホを支給されたことで一変した。
    まずはケイトから是非にと勧められたマジカメの登録。次いで学園生活で縁ができた人物をフォロー。大まかな使い方を教わり、数件の投稿や検索なんかも少しだけ自分でできるようになってきた頃、その衝撃的な出会いは訪れた。

    「エース! デュース! ヒプノシスロッドって知ってる!?」

    会うなり顔を紅潮させてスマホを突き出してきた監督生に、顔を見合わせてマブの二人はそれぞれ口を開く。
    「そりゃー知ってるに決まってるっしょ、今一番勢いあるグループだもん」
    「僕はあまり音楽は聞かないが、名前はよく聞くな。母さんが好きだと言ってたのは確か…Snディビジョン? とかなんとか」
    「何枚かMD(ミュージックディスク)持ってるけど、貸してやろうか?」
    「本当 1764

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    🪦村川🪦

    MOURNINGレオナさん夢…10ヶ月前に書いたやつ…夢主のキャラもレオナさんのキャラもうまく掴めず挫折したやつ…リヴィエール(夢主)はちゃんとどこかで書き切りたいなあ…供養供養…
    しかし私の中の初期の監、こんな感じだったんだなあ笑
    「断る」
    事情説明後の冷たい第一声に、斜め前のジャックくんの耳がピンと伸びて毛が逆立つのがわかった。まあそりゃあそうですよね、とどこか他人事のように思う。纏めてきた荷物が地味に重い。そんなに入っていないはずなんだけど。
    薄ぼんやりした頭の中に「第一部屋がねえだろ。空いてる部屋は物置になってる。今から片付けてたら朝になっちまうぞ」というレオナ先輩の声が響いた。ねむい。今から片付けはちょっと無理そうだけど、この際物置でもいいから端っこで寝かせてくれないだろうか。というか本当に荷物が重い。目線をそちらに向ければちゃっかり乗っかっているグリムがいた。そりゃ重いわけだ。下ろそう。
    「じゃあレオナさんの部屋に泊めればいいんじゃないッスか?」
    この声はラギー先輩だな。レオナ先輩のお部屋なんて恐れ多くて眠れない。いやウソです今ならどこでも5秒で眠れる。大丈夫。ほんとこの談話室のソファー…いや贅沢は言わないのですみっこを、すみっこを貸してほしい。レオナ先輩とラギー先輩が言い合っている。グリムを下ろすにはまず床に荷物をおかないといけないんだけど怒られるかな。とばっちりは勘弁だな…。
    「レオナ、部屋に泊めて 1616

    🪦村川🪦

    DONEおべみ四男中心夢。
    ※がっつり個性あり夢主&MCがいる
    ※夢主はMCが人間界で飼ってた黒猫。正体は猫又
    ※猫を前にした四男のテンションを掴みかねている
    ※今作では次男の扱いが雑
    猫の日習作



    どこの世界でも、縄張り争いというのは等しく起こるものらしい。
    ひび割れたガラスのようなずれた音が煩わしくて、猫は不愉快げに目を細める。その態度すら気に入らなかったのか、猫を囲むように立っている黒い靄を纏った悪魔たちはまたぎいぎいと騒いだ。
    「なんだその顔は」
    「お前などが近付いていい場所では」
    「あの方々をどなただと心得るか」
    「テメーなんて引き裂いて食ってやっても」
    今は頭上にない耳をぴるぴると動かしたい気分だった。億劫そうに睥睨して、猫はあくまで穏便に済ませようと口を開く。
    「……つまり、あの屋敷に、あの七人に近付くなと、そう言いたいのだろう?」
    「そうだ」
    「物分かりがいいな」
    「その通りだ」
    不協和音が勢いを増す。どうしたものかと猫は考える。散歩から帰宅途中の突然の因縁。別にあの屋敷にもあの七人にも特に何の未練も感情もないのだ。そこに含まれていないただ一人を除いて。
    「あの七人に近付かないことはできる。ただ、あの屋敷に近付かないのは無理だ。主人(あるじ)がそこにいるからな。帰らねばならない」
    「主人だと!?」
    「どのお方に仕えたのだ!?」
    空気が一転して友好ム 3158

    🪦村川🪦

    DONEおべみ四男中心夢になる予定の前日譚。
    ※がっつり個性あり夢主&MCがいる
    ※MCのデフォ名あり(伊吹)
    ※L20クリア済みの方向け
    ※村川本人は現在21-5あたり
    猫はただ、のんびりと暮らしていた。
    主人(あるじ)は平凡で人畜無害で心の優しい人間の女で、一人暮らしをするのだと言い出した時はどうついて行こうかと画策したものだったが、結果的に主人自ら猫を連れて行ってくれたので、のんびりとした二人暮らしをそこそこ楽しんでいた。
    主人は朝に出かけて夕と夜の間くらいに帰ってくる。留守の間は家を守っている時もあったし、気ままに散歩に出たり、主人の様子を見に行ったりもした。情報収集、縄張りの見回り、無意味に街を散策したりもした。そんな穏やかな日常は一変する。
    主人が帰って来なくなった。
    猫は待った。大人しく待っていたわけではない。探し歩いて、住処に戻って、探し歩いてはまた戻った。どこにも主人の足跡はなく、そうこうしているうちに主人の実家へと戻された。
    そこでの会話からすると、主人は留学をしたらしい。
    おかしい。主人は猫には何でも話す。その日あった出来事、自分の気持ち、今後の予定、楽しいことも辛いこともなんでもないことも何でも話す。その主人が、猫に何も言わずに留学などという一大事へと旅立つはずがない。そもそも、部屋の片付けも荷物のまとめも、猫をどこかへーーそれこ 2570

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    ※がっつり個性あり夢主&MCがいる
    ※夢主はMCが人間界で飼ってた黒猫。正体は猫又
    ※猫を前にした四男のテンションを掴みかねている
    ※今作では次男の扱いが雑
    猫の日習作



    どこの世界でも、縄張り争いというのは等しく起こるものらしい。
    ひび割れたガラスのようなずれた音が煩わしくて、猫は不愉快げに目を細める。その態度すら気に入らなかったのか、猫を囲むように立っている黒い靄を纏った悪魔たちはまたぎいぎいと騒いだ。
    「なんだその顔は」
    「お前などが近付いていい場所では」
    「あの方々をどなただと心得るか」
    「テメーなんて引き裂いて食ってやっても」
    今は頭上にない耳をぴるぴると動かしたい気分だった。億劫そうに睥睨して、猫はあくまで穏便に済ませようと口を開く。
    「……つまり、あの屋敷に、あの七人に近付くなと、そう言いたいのだろう?」
    「そうだ」
    「物分かりがいいな」
    「その通りだ」
    不協和音が勢いを増す。どうしたものかと猫は考える。散歩から帰宅途中の突然の因縁。別にあの屋敷にもあの七人にも特に何の未練も感情もないのだ。そこに含まれていないただ一人を除いて。
    「あの七人に近付かないことはできる。ただ、あの屋敷に近付かないのは無理だ。主人(あるじ)がそこにいるからな。帰らねばならない」
    「主人だと!?」
    「どのお方に仕えたのだ!?」
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