リクエスト 皓い背中に縦横無尽に走る傷は、癒えても禍根を残すように、肌とは別の白い筋となって跡になっている。
その上からスザクの執着を示すように上書きされたキスマークや噛み跡は、ルルーシュをおおいに満たした。あれほど忌々しかった傷跡が、今はなんと心に鮮やかなことか。
けれど情事の最中、背中ばかり慈しまれてスザクの顔が見れない体勢になるのは少しばかり虚しい。自分からこの傷をだしにしておきながら、なんてわがままなのだろうかと苦笑が漏れる。
シャワールームで鏡を見ながら訥々と考えていたルルーシュは、そこまで考えてふうと息を吐いた。湯を吐き出すシャワーを頭から浴びる。事後はスザクがある程度清めてくれるとはいえ、汗ばんだ体を流すのは気持ちがいい。
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