手首へのキス熟睡していたのだが、ふと肩甲骨の辺りが擽ったくて目を覚ます。
「ありゃ、起こしちゃった?…おはよ、岩ちゃん♡」
「てめぇ…何してんだよ、折角気持ちよく寝てたっつうのに」
頬杖をつきながら横に寝転んでいた及川が人差し指で俺の肩甲骨をなぞっていたらしい。
「ん〜…?ほら、岩ちゃんて今も昔も寝顔だけは天使じゃない?だから、こうやって天使の羽根が生えてるんじゃないかな〜って思って探してたの」
「お前って相変わらずよく分かんねぇな」
「ひっどーい!そこはときめくとこでしょ!?」
「…人の安眠邪魔しといてよく言うぜ。お前のせいで体痛ぇし眠ぃからもうちょっと寝るわ」
「な〜にさ、自分だってお強請りしといて」
「…うるせぇな」
昨夜の事を思い出して恥ずかしくなって背を向ける。
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