人は殺してはいけない。
その辺の幼稚園児だってわかることだろう。賢い人ならばその理由すら答えることができるかもしれない。
では自分は何故そんな子供でもわかるような簡単な法を犯しているのか。
殺人行為。死体損壊。内臓が傷つかないように解体して、洗って使える部分を丁寧に丁寧に取り出して。その光景に何度吐いてしまったかはもう分からないが、殺した側としては失礼すぎる行為かもしれない。
でも、ごめんなさい、ちゃんと使うから。
無駄には絶対にしないから。
俺はもう片手じゃ数えきれないほど直接この手で殺してしまった。
医療用メスを使って胸部から下腹部まで皮膚を切り裂く。剥いで開いて、人体模型のようになってしまった遺体に軽く手を合わせながら、それでも視線だけは内臓を写した。自分の血塗れの服。お気に入りだったが、今はどうだっていい。
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