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    いつか描きたい死ネタナルカル

    ボロボロの身体を引きずりなんとか帰路につく。壁に手をつき体をもたせかけ重たい足を運ぶ。自身の部屋のドアノブを握ると赤黒い血がベッタリとついた。もはや己の流した血か返り血なのかも分からない。ふらふらとベッドに倒れ込むと一気に力が抜けた。自分を中心にシーツが赤く染まっていく。私はもう長くはもたないだろう。
    『カルエゴ、そこにいるか』
    そう呟くとしばらくの沈黙の後暗闇にボウッと幼いカルエゴが姿を現した。
    『はい、兄上』
    カルエゴはその小さな手をこちらに伸ばすと優しい手つきで私の頭を撫でた。だんだんと身体の軋みが和らいでいく。
    『カルエゴ』
    『はい』



    『どこにも行かないでくれ』



    カルエゴは驚いたように目を見開いたものの微笑んで
    『はい。私はずっと兄上のそばにいますよ』
    そう言って私の頭を抱きしめた。温かいような、冷たいような。
    『どこにも行かないでくれ』…か。よく言えたものだな。自分で自分が笑えてくる。だってカルエゴは私自身が殺したのに。
    カルエゴ、お前の教え子達はとてもしぶとかったよ。私がお前を殺したことを教えたら皆血相を変えて私に殴りかかってきた。お前は私の知らないところで自分なりに努力し、そうして積み上げたものを愛し、愛されていたんだな。そしてそれに私は敗北してしまった…。
    私の頭を抱く幼い姿のカルエゴを、カルエゴの亡骸を抱きしめる。
    私の野望は叶わなかったが、せめて、お前を私の手で殺すことができて良かったよ。

    愛してるよ、カルエゴ。永遠に…。
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