幼い頃から何度も見る夢があった。
俺が知らない奴らと見たことも無い土地を旅する夢。
変なものを食べさせられたり、銃で獲物を狩ったり。
初めこそただの旅行記だったそれは、俺が歳を重ねる毎に血なまぐさいそれへと変わって行った。
時は明治、軍隊、戦争、殺人、夢の中の俺は何度も銃の引き金を引いた。
渇いた心、壊れた母親…俺たちを捨てた父、何も知らず俺と対比するかのように眩しい道をゆく義理の弟。
あまりにもリアルなそれ。
どうやらこの知識は正確な歴史を元にしているらしく学生時代の歴史の授業は一部特価していて勉強など必要ないほどだった。
まあ金塊戦争や、土方歳三が実は生きていた、などという歴史はもとより存在しないものなのか、隠された歴史なのか知る範囲での歴史には記されていなかったが。
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