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    投げつけるロナドラSS
    思いの丈を叫べ青春
    オリジナル🧛‍♂️が出てきます

    思いの丈を叫べ青春「我が名は吸血鬼思いの丈を叫べ青春!」
    「吸血鬼思いの丈を叫べ青春!?」
     シンヨコ駅前は本日も変態がたむろしキュー○ックの営業を脅かしていた。地元の民は慣れてしまい構わずヌニクロなどへ入っていくが取引先への訪問などで通りすがった若いサラリーマンなどは突如道の真ん中で名乗りを上げたおっさんに「なんアレウケるインスタ撮ろ」とスマホを取りだし撮影している。
     リーマンのカメラに向かってピースサインなど繰り出しながら、吸血鬼思いの丈を叫べ青春と名乗った男はさらに言い募る。
    「この世は思いの強さが力となる!」
    「昔そんなアニメあったな」
    「いや、だからなんなんだよ」
     ツッコむロナルドに戸惑うショット。そんなやり取りを見られたのか。
    「そこなガタイの良いイケメン!」
     しっかりとターゲットとして捉えられたロナルドに逃げる間もなくビカリと怪光線が当たる。「おい、大丈夫か!?」周囲にいた仲間達が膝を着いたロナルドを囲む。その辺のポンチであればメンタルと社会的生命以外のダメージはさして受けないが、見知らぬ吸血鬼の能力はいまだ見極められない。男はスーツのジャケットを翻し、薄い唇をにやりと持ち上げる。
    「昔、私はテレビ番組の青少○の主張というコーナーが大好きだった」
    「………………は?」
     突如始まったおっさんの懐古話に若い退治人たちの口が開く。「おや、知らないかね、未だにフィーチャーした番組があったりするぞ」と男は得意げに胸を張り話を続ける。
    「どうしても言い出せない相手への熱い想い!日頃感じている親への感謝!うっかり知ってしまった先生の暴露話!どうしても大声で思い切って伝えたいことを、建物の屋上からみんなに向けて発信するのだ。あれこそが青春!あれこそが感動!おじさんいたく感激しちゃった」
     ぷるぷると拳を震わせつつ熱弁する吸血鬼から、ということはつまり?と退治人たちの視線がロナルドに向く。血の気が引いた顔で説明を受けていたロナルドは、やがてゆっくりと立ち上がるとノシ、ノシ、と歩みを進め吸血鬼思いの丈を叫べ青春に下から突き上げるようなボディブローを叩き込み一発ノックアウトした。
     そうして気絶したおっさんの背中を踏み締め、またゆっくりと、仲間たちに背を向けて――ノシリ、ノシリと歩いていく。
     おそらく自分の意思では無いのであろう、全身に力を込めて反抗し鬼気迫った顔でありながらなお足を止められない様子のロナルドが進む方向を見て、ショットがまずいなと舌を打つ。
    「円形歩道橋に向かってる」
     他の退治人たちが慌てたように叫ぶ。
    「あそこは人が多い!あんなところで叫んだら!」
    「何が起こるんだい?」
    「きっとロナルドが死ぬ気で隠してたつもりの告白が全新横浜民の白日の元に…おわああああドラルクっっっっ!?!?!?」
     いつの間にやら退治人の輪に混じっていたドラルクがさらりと会話に入り込んでいたことにも気づかずあまり宜しくない内容まで伝えてしまい、ショットは頭からすっ転んだ。他の面々も目を瞬いたりあわあわしたり反対に面白そうに目を輝かせたり、反応は諸々。それらが全てついさっきまで部外者でしかなかった自分に向けられていることに気がついて、ドラルクは多少の居心地の悪さを感じつつ「若造、なんか面白い能力にかかったようだが」と比較的話しやすいショットに切り込む。ショットはとんでもなく気まずいというような顔をしてみせたが、どうせこれから避けようもなく起こることだと開き直ったのか円形歩道橋の階段をゆっくり登るロナルドの背中を指さした。
    「ロナルドが吸血鬼へんたいの能力にやられた」
    「うん、まあそれは見てた」
     頷くドラルクに隣に立っていたサテツがこまったように言い添える。
    「なんでも、普段どうしても言い出せない思いとかをぶちまける能力らしくて……『思いの丈を』って名前が気になるんですけど」
     まあ、ベースにした番組が番組だ。高い場所から眼下の大勢に向かって普段言えなかったことを言いたい言いたくないに関わらず叫んでしまうのだろうが、はて何を叫ばされてしまうのか。ドラルクは、苦虫を噛み潰したような顔で歩みを進めるロナルドを見る。ありゃよっぽど言いたくない顔だ。そんなに隠したかったことがあったなんて、それを自らの意思に関わらずさらけ出されてしまうなんて、うーん可哀想そして最高に面白い。
     円形歩道橋の中央に立ち止まり、帽子のつばに手をかけてロナルドは大きく息を吸う。柵に手をかけ、あらん限りの力を腹筋も血切れよと言わんばかりに絞り込んで。

     『ドラ公ォォォォォォ――――――――――っっっっ!!!!結婚してくれぇぇぇぇぇぇ――――――――っっっ!!!!!!!』

     まあそうだろうな……と言わんばかりの顔をしたショットの隣で、ドラルクは音もなく塵と化した。


     
     ひとたび叫んで能力から解除されたのであろう、ロナルドは円形歩道橋の上から驚くべき速さで駆け下り再度吸血鬼思いの丈を叫べ青春に暴力パンチを奮った。そのあと砂になったままのドラルクを真っ青な顔でマントにくるみ、傍で泣いていたジョンごと抱えて脱兎のごとく逃げ出した。退治人たちはその鮮やかとすら言える逃げっぷりにある種の感嘆を覚えつつ、「隠してたつもりかもだけど気づいてなかったのはドラルクだけだったぞ」と頭の中だけで突っ込んでやった。
     音速も超えよとばかりに新横浜駅から徒歩七分の距離を駆け抜けたロナルドは、ドタバタと足音も騒がしく事務所のドアを開けると脱力しドアに寄りかかってヘナヘナと座り込んだ。ずるりと手から抜けたマントは砂の重みで床にすべりおち、その中からにゅっと細い腕が生え苛立たしげにロナルドを指さす。
    「なぁーにをやっとるんだシンヨコハマリンピック選手でも目指すつもりかゴリラは人間の大会には出られんぞゴリルド!」
    「ウホホイ!」
     お望みのとおりにパンチをくれてやって再度砂塵に還す。それでひとまず落ち着いたのかロナルドは深く大きなため息をついた。そんな彼の前でナァァスと人の形を取り戻したドラルクは、安堵の涙を流す使い魔を優しく抱き上げながらロナルドを見た。
    「君、私と結婚したいの?」
    「オッポロピキャフロバー!?!?!?」
     油断した瞬間に流そうとした発言を掘り返されてロナルドは奇声を上げて飛び上がり天井に刺さった。
     今更敷金気にしてもしょうがないけどさ、うるさいのは君の方じゃん。そういいながら、ドラルクは頭上から生えたロナルドの腰から下に声をかける。
    「ごめんなさい」
    「綺麗なお断り!!」
     ズシャアと天井から抜け落ちてロナルドはそのまま倒れ伏した。その上からドラルクが静かに話しかける。
    「いやーさすがの私も突然のプロポーズにはさすがに応じかねるというか、人間の君と吸血鬼の私とでは一生添いとげるとかも難しそうだし」
    「うるせぇ俺だってこんな衝突事故みたいなプロポーズするつもりなかったわ!もうすこし段階を踏んで少しずつ時間をかけて距離を縮めていくつもりだったんだよ!」
    「私たち同居してからそろそろ十年になるんだがこれ以上時間かけてたらプロポーズ三十年後とかになるだろうが」
     マジでこいつおもろ、と瞬きをするドラルクに、ロナルドは泣きの嘆願を入れた。
    「忘れろください!!!!!!」
     ドラルクは2つ返事で快諾した。
    「オッケー!」
    「おっしゃ!」
     じゃあまた三十年後にでも、とヒラヒラ手を振るドラルクと、やれやれ慌てさせやがってと頭を搔くロナルドに挟まれて、ジョンはただ一匹ヌェーと開いた口が塞がらなかった。



     とそこで終われば色んな問題は三十年後に先送りになったのだが、さすが新横浜そうは問屋が卸さなかった。
     翌日2人連れ立ってパトロールに出かけた際、小さな歩道橋に差し掛かった。特にそこを渡る用事は無かったのだが、ふとロナルドは足の先を変えふらふらと歩道橋の階段を登り始める。
     「ロナルド君?」
     不審に思ったドラルクが声をかけると、真っ青な顔で涙目になったロナルドがゆっくりと振り返った。
    「た……たすけてドラ公、足が勝手に上っていく……」
    「は?」
     奇っ怪な言葉に細い眉を顰め、その行く末を見守る。彼の言うとおりその動きは如何なロナルドの筋力をしても抗うことは出来ないようで、それは野球拳大好きのような催眠のような
    「っそうか催眠!昨日のあれがまだ解除されていなかったのか!?」
     そうしている間にロナルドは歩道橋の真ん中にたどり着く。全く昨日と同じ動きをなぞるように、息を吸い、腹筋に力を込めて、
    「やめろロナルドくん!」
    「っっドラ公ォォォォォォ――――――――――っっ!!結婚を前提に交際してくれぇぇ――――――――――っっ」
     2人の抵抗虚しくロナルドは新横浜の片隅でまたも愛を叫ぶ獣となり、ドラルクも「嘘だろ」と呟いて昨日の通り砂と化した。通りがかった若いサラリーマンが、「昨日よりお願いが控えめになってんじゃん」と感想を漏らしたのが隙間風のように砂を揺らした。

     
     それから数日、やれ公園の滑り台を見ては上ってお散歩中のマダムに囲まれながら「交際を前提に結婚してくださぁぁ――――い!」と叫び
     やれ河原を見下ろす河川敷に上っては「俺の味噌汁を一生作ってくださあぁぁぁぁ――――い!」と叫ぶロナルドの社会的生命は風前の灯であった。そんなもの既に失って久しいだろと突っ込みたいドラルクの方も、毎度毎度若造が馬鹿正直に名前を呼んで目の前で主張してくるので持ち前の強靭なメンタルも擦り切れ寸前である。毎度毎度叫ばれる度に砂となりその場の空気から脱出成功しているものの日に日に周囲からの視線がいたたまれなくなってくるし、買い物先のスーパーでレジ打ちのお姉さんから「私おふたりの事応援してます!」と鼻息も荒く応援された。応援ってなんだ。最早ロナルドの主張コーナーは新横浜での名物、「本日のプロポーズ」として都市伝説化しようとしていた。


     
     ある日、さては時間経過が解除条件では無いなと思いついた2人はあるときドラルクが家に留守番しロナルドだけ外に出てみるという案を試して見た。するとロナルドは高台を見ても上ることは無かった。
     なんだ相手がいなきゃ問題ないのか大した能力じゃねえなと仲間と笑いあったその時、部屋にこもるのに飽きて散歩にでたドラルクと目が合い、不幸なことに目の前には歩道橋があり、さらに運のないことに通りすがりのY談おじさんがロナルドを見つけた。
     あああああ、と呻きながら階段を昇るロナルドに怪光線が当たり、彼は歩道橋の柵を力いっぱいに握りしめた。
     
    「ドラルク――――――――――――っっっ浮き出た肋骨の筋を舌でなぞってその隙間の数を数えさせてくれ――――――――っっっ!!!!」
    「ごめんなさ――――――――――――い!!!!」
     
     あまりにも2人同時に社会的生命を抉りとる鎌の形をした発言に思わずレスポンスしてドラルクは砂った。
    「アホなのか君は!あんなこと大声で言いよってまるで私のことをエロい目で見てるみたいではないか!!」
     泣きながら降りてきたロナルドにまだなかば砂のままドラルクが怒鳴りつけるとロナルドは幼児のように涙を流しながら「見てますぅ」と呟いた。
    「は?」
    「おで、ずっとまえがら、どらこうを、えっちなめで見てます」
     鼻の詰まった声でべそべそと紡がれる泣き声に形を戻したドラルクは座り込んだままキョトンと彼を見上げた。なんだなんだと集まってきた通りすがりの人たちが遠巻きに2人を囲んでいる。それでもロナルドはずびび、と鼻をすすりながら
    「結婚してくれって言ってんじゃん」
    「……えー、ごはんとか、家事とかの話ではなくて?家政夫としての契約じゃなく?」
     どこかずれた答えに、ロナルドはぐっと口を引き結ぶ。大事なことを口にしていなかったことに気がついたのだ。すう、はぁ、と呼吸を整え、腹に力を貯めて

    「俺は――――っっ!ドラ公のことが――――っっ、好きでぇぇぇ――――――――――す!!!!」

     高いところからではなく至近距離から大声で叫ぶ。ビリビリと音波で震えながらも砂になることを忘れたのか呆然と見上げてくる座ったままの吸血鬼を、ロナルドは真っ赤な顔をして睨みつける。
    「け、結婚してくださ――――――いっっっ!!!!!」
     わぁぁぁっっ!!
     周囲からは拍手や歓声、口笛で囃し立てる音で大いに盛り上がる。結婚、結婚と手拍子が鳴り響く。その中央で、顔をクシャクシャにして手を差し伸べ立たせようとしてくれるドラルクにとっていちばん面白くて大事な吸血鬼退治人。
     ドラルクは腕を上げその手を取った。助けられながら立ち上がり、その両手を握りしめ、頬にかかった髪を耳元にかきあげる。
    「えーっと、ごめんなさい」
    「この雰囲気で!?!?!?!」
     ロナルドは大声で突っ込み観客たちは全員つんのめった。



    「私最初から言ってたじゃん、問題は山積みだよって」
     事務所に戻ってなおぺそぺそと泣き続けるロナルドの背中をポンポン叩いてあやしながら、ドラルクはのんびりとした声で言った。
    「俺は排水溝でくさったネット……そこにかかるわかめ……」
    「君のいちばん伝えたいことってそれプロポーズだったの?」
     デスクに突っ伏して腐っていたロナルドの背中にそう聞いてみると、ロナルドは少しの間動きを止めそうして頭を抱えた。
    「そうだよ……伝えたいけど踏ん切りはつかねぇし、そろもそもそんな雰囲気になることもねえし、でもいつかはって思ってたのにあのポンチ野郎が!」
    「装備を整えてVRCに殴り込みに行くのはやめなさい、彼も今更生のためにヨモちゃんとこで大人しくしてるから」
     退治人服を引っ掴み、今にも事務所を出ようとするロナルドを引き止めてドラルクは顎を撫でる。
    「ま、おそらく解除条件はコールアンドレスポンスだったのだろうな。あの番組ではだいたい、言われた方も下からきちんと返事をするのがお決まりだった」
     特に君みたいな告白系にはね、と背中の傷をえぐる。
    「つまり俺は真摯に振られてしまったと?」
    「死にそうな顔して泣くんじゃないよ、話はちゃんと聞きなさい」
     ぶわりと流れる大量の涙を指で受止めドラルクはヒヒヒと笑う。
    「私が君のことを嫌いだとか、恋愛対象として見られないとか言ったかね」
    「……あ?」
     そういえばそれに類するようなことは言われていない。急に言われても答えかねるとか一生添いとげるのは難しいとかそんな話だ。ロナルドは首をかしげドラルクを見た。ドラルクは人の悪い笑みを浮かべている。
    「人と吸血鬼が結婚するにはね、問題が山積みなんだよ若造」
     だからその問題を一つ一つ片付けて、それでもなお君が私の事エッチな目で見られるというのであれば
    「結婚しよ、ロナルドくん」
    「……………………ぴえ」
     公衆の面前で振られたと思ったら逆プロポーズをされ、ロナルドの情緒はぐちゃぐちゃである。それでも『結婚しよ』という文字はゴシック体で脳裏をチカチカと点滅し足元にタイヤをつけてメビヤツと一緒に走り回っていた。
    「ああ何度も大声で、それだけしか言うべきことは無いとばかりに叫ばれると『急すぎる』なんて言い訳効かなくなるだろう」
     だから今後のことは2人で考えていこう。指先でおでこを突くドラルクの手を取って勢いのあまりキスしようとすると「ジェントル違反だバカ!」とジョンのおムニなお腹を押し付けられた。
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