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    shirosaki_gn

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    shirosaki_gn

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    PS/Xbox版発売おめでとう!
    とリバジャケにやられたので感情の整理のために書きました。
    ※ゲーム本編ネタバレ

    あの宇宙にはステラさんはいないけど、もしかしたらまたこのふたりが会うことがあるかもしれないし、真エンド後のセツなら少しだけ、ステラとこういう話が弾む瞬間があるのかもしれない。

    私のための「君」へ「恋愛、か……。私には、よくわからないな」
     かたり、と温かい紅茶の入ったカップをソーサーに置き、セツはつぶやいた。
     ゆらゆらと立ち上った湯気が、空気に溶け込むようにして消え、その向こうには、花に水をやるステラの姿が見える。LABには穏やかな空気が流れていた。
    「ふふ。何事も、経験してみるまではわからないものですものね。……ですが、とても素敵なものなのだと」
     頬に手を当て、うっとりと目を細めたステラの表情を見ながら、セツはやれやれと苦笑いを浮かべた。
    「やはり憧れてしまいますわね。……いつか、目が合っただけで惹かれあってしまうような……そんな、わたしのための素敵な殿方が現れて……。うふふっ」
     恋愛についてのステラの話はすっかり聞きなれてしまったが、セツは耳を傾けていた。恋愛のことはわからない。それでも、こんな他愛もない会話にも、ゆるやかに続いていく日常を、整然と並び連続していく日々を取り戻したことを実感する。
    (わたしのための、か……)
     紅茶に砂糖を加えて、くるくるとかき混ぜていたセツは、ふとステラの言葉に手を止めた。懐かしい顔が、頭に浮かんだ。「セツ」と名前を呼ぶ声が、耳の奥に甦る。
     人の記憶は、声から忘れていくのだという。だからもしかしたら、耳に残っているように感じるこの声も、薄れて歪に補完されたものなのかもしれない。それでもセツは、それを一生涯かけて大切にするだろう。顔も、声も、交わした会話も、そのすべてが重ねる日々とともに薄れていってしまうとしても。
     繰り返さないこの日々こそが、大切なその人がくれたものなのだから。
     顔を上げると、まるで子どものようにきらきらと輝くステラの目と目が合う。
    「……もしかして、声に出てた?」
     ステラは興奮し、言葉も出ないといった様子で胸の前でこぶしを握り締め、小刻みにうなずいた。
    「期待しているような話ではないと思うけど……うん。でも、そうだね。私のための……その気持ちはすこし、わかる気がする」
     そうつぶやいたセツのまなざしはやわらかく、口元に浮かべた笑みは儚いほどに優しかった。
    「……どんな方なんですか?」
    「私のために、次元すらも飛び越してきてしまうような、そんな人だ。二度も私を、救ってくれた。私がいま、ここにいるのも、その人のおかげだ。私のための……」
     そこでセツは言葉を切った。ゆっくりと頭を振り、目を細める。
    「借りを返したつもりだったのにね」
     照れたような笑みを浮かべたセツに、ステラはただにっこりと微笑んだ。

     私の「君」へ。心からの愛をこめて。
     どこか遠い場所で、ともに過ごした君が幸せであることを願って。
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    shirosaki_gn

    DONEPS/Xbox版発売おめでとう!
    とリバジャケにやられたので感情の整理のために書きました。
    ※ゲーム本編ネタバレ

    あの宇宙にはステラさんはいないけど、もしかしたらまたこのふたりが会うことがあるかもしれないし、真エンド後のセツなら少しだけ、ステラとこういう話が弾む瞬間があるのかもしれない。
    私のための「君」へ「恋愛、か……。私には、よくわからないな」
     かたり、と温かい紅茶の入ったカップをソーサーに置き、セツはつぶやいた。
     ゆらゆらと立ち上った湯気が、空気に溶け込むようにして消え、その向こうには、花に水をやるステラの姿が見える。LABには穏やかな空気が流れていた。
    「ふふ。何事も、経験してみるまではわからないものですものね。……ですが、とても素敵なものなのだと」
     頬に手を当て、うっとりと目を細めたステラの表情を見ながら、セツはやれやれと苦笑いを浮かべた。
    「やはり憧れてしまいますわね。……いつか、目が合っただけで惹かれあってしまうような……そんな、わたしのための素敵な殿方が現れて……。うふふっ」
     恋愛についてのステラの話はすっかり聞きなれてしまったが、セツは耳を傾けていた。恋愛のことはわからない。それでも、こんな他愛もない会話にも、ゆるやかに続いていく日常を、整然と並び連続していく日々を取り戻したことを実感する。
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