ザネリとジョバンニ「ザネリ、ねぇ。」
嗤いに来たのか、それとも責めに来たのか、
ジョバンニはそれでも何も言わずに立っている。ただ僕の返事をひたすらに待っているようだった。
「カムパネルラの父さんが言ってたんだ。一度二人で家に遊びに来てほしいって」
「…」
「ザネリ、行こう。きっとそれをカムパネルラも望んでる。」
…カムパネルラが、望んでる
「ジョバンニ、一体「わからないよ。その人が本当に望んでいることも、その人にとっての幸いも…僕らには到底わからない。」…」
「それでも、カムパネルラはカムパネルラのお父さんが望んだことを望むと思うんだ。だから、僕らは行くべきなんだよ。」
いつから、いつからジョバンニはこんなふうに話していたのだろう。
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