無題「なぁ、オメェの探偵特殊能力であれは操れんのかよ?」
そう言ってエイフェックスが指差すのは檻の天井で逆さまになってぶら下がっているコウモリだった。
動物園に来てから何度目だろうか、エイフェックスは動物を眺めていると度々そう聞いてきた。コウモリの前はキリン、ゾウ、サイ、ウサギ、モルモットと確かにサイズの大きい動物は使役できるのか気になるのかも知れないが、ウサギやモルモットは聞かずとも分かるだろうと言いたくなる。
そうしてとうとう条件の怪しい動物はどうなのかと聞き始めてきた。
「……君のためにもう一度説明してあげよう。私が使役できる動物の条件は四足歩行の哺乳類になる」
「分かってるつーの。で? できんのか?」
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