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    Junk_m0n

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    Junk_m0n

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    一緒に動物園に行っている謎時空のエイジル書いてる。
    書き始めたばっかで書き切れるか自信ないんだけど、完成できるように進捗残してみる。

    #レインコード

    無題「なぁ、オメェの探偵特殊能力であれは操れんのかよ?」
     
     そう言ってエイフェックスが指差すのは檻の天井で逆さまになってぶら下がっているコウモリだった。
     動物園ここに来てから何度目だろうか、エイフェックスは動物を眺めていると度々そう聞いてきた。コウモリの前はキリン、ゾウ、サイ、ウサギ、モルモットと確かにサイズの大きい動物は使役できるのか気になるのかも知れないが、ウサギやモルモットは聞かずとも分かるだろうと言いたくなる。
     そうしてとうとう条件の怪しい動物はどうなのかと聞き始めてきた。
     
    「……君のためにもう一度説明してあげよう。私が使役できる動物の条件は四足歩行の哺乳類になる」
    「分かってるつーの。で? できんのか?」
    「コウモリは哺乳類にはなるが、足が発達していないので移動はほとんどが飛行になる。よって操れない」
    「操れねぇのかよ」
     
     何をガッカリしているのか、ジルチは自身の探偵特殊能力を散々説明しているにも関わらずエイフェックスは期待外れといったようなリアクションをするのに内心少し腹を立てていた。
     どうして男二人で動物園に来ているのか、ことの発端はすでにわすれてしまったが確か二人で言い合いのような議論をしている最中にメラミから「二人でどこか出掛けてきたら?」と場にそぐわない提案を受けたことがキッカケにはなっていただろう。それからまた何度か二人で言葉を交わし、なぜだかエイフェックスが発した「動物園に行く」が採用されてしまっていた。
     ジルチとしては動物園は嫌いではない、むしろ好きな方になる。
     充分な飼育環境さえ確保できていれば動物保護の観点からいっても、一般人の動物理解への促進からいっても素晴らしい施設になる。
     だが、動物園に足を運ぶにしても今までは一人で観察していたので、他人が共にいるとなるとここまで煩わしいこととは思わなかった。
     エイフェックスは粗野な部類にはなるが、用もなく騒ぎ立てる人間でもないとジルチは思っていたが、想像以上にエイフェックスがはしゃいでいるようで内心呆れてしまっていた。
     
    「エイフェックスくん、もう帰らないか? 君も充分堪能できただろう」
     
     そもそもどうして二人で動物園なんて律儀に来てしまっているのか、メラミの提案なんてものは適当にはぐらかせばよかったというのに。
     エイフェックスも始めは乗り気ではなかったのだからジルチの言葉にも同意してくれるだろう。
     
    「あ? 何言ってんだ。まだ全部見てねぇだろ」
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