海の底でキスして「世一、これにしよう」
「だからお揃いのキーホルダーとか買わねぇって」
十二時五十一分 那覇市、国際通り。
潔とカイザーが通う高校にて執り行われた修学旅行は、二日目を迎えていた。お土産店の通りを制服姿の高校生たちが練り歩いている。2人もそれを構成する一端であった。現在、グループ行動の時間だが、カイザーは潔にばかり話しかけてキーホルダーを物色している。
「ならこれはどうだ。’’ウミブドウ様マスコット’’!」
「なんだそれキッモ」
緑色のぶつぶつが無数にくっついた、犬なのかウサギなのか分からないそれを持ち上げたカイザーの瞳が真剣な色を見せる。潔はうげぇ、と顔を歪めた。
「土産くらい良いだろう」
「土産は買うけど、お揃いはいらねーっての」
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