星屑のゆくえ バン、と机が叩かれる音が狭い部屋いっぱいに響いた。
六名分の椅子がテーブルを囲む小さな会議室だ。窓はない。半透明のガラスドアの向こう側を、時々人の影が通り過ぎていく。室内にはテーブルを挟んで座る二人の人物しかいない。制服姿の高校生と、スーツを着た男だ。
その片方が、机に掌を叩きつけた格好のままで叫んだ。
「ヒーロー活動停止処分 ふざけんな どんだけ苦労してレギュラーになったと思ってんだ!」
狭い室内で大声を出さなくても相手に聞こえる、という配慮は頭から抜け落ちているらしい。テーブル越しに大声を浴びせられた時枝は、眉間に深くしわを刻んで嘆息した。
「ヒーロー登録を抹消されなかっただけましだと思ってもらいたい」
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