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    たつやん

    @shitk_ttyn

    主に創作BLなどを置いています
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    たつやん

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    【創作BL/満弦】設定の補足らしきもの/1

    設定の補足のつもりで書いている内に軽いSSのようになってしまい、
    途中で気付いて慌てて簡略化しようとしたりとハチャメチャなメモ
    増えたり減ったりするかもしれないししないかもしれない

    20230415

    ##満弦
    ##設定メモ

    「満塁は俺のことを美化している」満塁から弦次郎への恋愛感情と8年間の片思い下(しも)の話、初体験の話眞弓兄弟、弦次郎の甥「満塁は俺のことを美化している」満塁の8年間に渡る片思いの期間中、満塁と弦次郎がそれほど一緒にいる時間は多くなかった。そのため、満塁は弦次郎との思い出を少しずつ美化していたのかもしれない。
     弦次郎は大学時代からずっと優しくて格好いい憧れの先輩。それはプロ入りをした後でも変わらない。
     弦次郎は満塁から寄せられる期待が重く、疎ましいと思うことが偶にあった。自分はそんなに立派な人間ではないし、いつも優しい顔をしてやれるほど余裕もない。厳しい対応をしても、偶に素っ気なくしても、満塁は自分を慕って何処へでもついてくる。
     満塁はドラフト下位で指名されながら、順風満帆に毎年成績を伸ばし続け、子供から大人まで人気を得て、まるで球団の顔のようになっていた。年俸も当然、順調にいけば早々に億を超えるだろう。
     片や弦次郎はドラフト上位で指名されながら早々に怪我で脱落し、這い上がってきた途端にトレードされ、殆どそれがきっかけで家族を失った。
     不甲斐ないのは自分自身と頭では理解していても、全てが順調のように見える満塁から慕われ、持ち上げられることは、弦次郎にとっては皮肉に感じられた。それでも、大切な後輩として思える内は優しい先輩として振舞い続けていたが、恋人同士となった後はそうもいかなかった。やがて満塁によって美化された自分に嫌気が差し、弦次郎は貯め込んでいた感情を爆発させる。そのとき初めて2人は喧嘩した。満塁は俺のことを美化している、本当の俺はそんなに出来た人間じゃない、(慕ってくれる)お前の前を行けないことが悔しくて堪らない、心の何処かではお前のことを妬んでいる、情けない、悔しい。全てぶちまけている内に涙がぼろぼろ溢れてきても、恥ずかしいと思えないくらいに感情が昂っていた。そしてそれを聞かされた満塁も、どうして素直に打ち明けてくれなかったのか、弦次郎にもっと見てもらえるように頑張っていたのに裏目だったのかと感情を露わにする。満塁と弦次郎は互いに言いたいことを存分にぶちまけ合い、やがて文句も尽きてきた頃、疲れて2人は仲直りをする。
     満塁から見た弦次郎は確かに美化されていたかもしれない。大学時代からずっと優しい、活躍をすれば凄いと誉めてくれる、面倒見のいい、あの頃のままの先輩。包み隠していた本心を知った今でも、むしろ人間らしい弦次郎の一面が知れたことを喜びこそすれ嫌いになどなれなかったし、むしろありのままを曝け出してくれたことが嬉しいと感じられた。結局、満塁は弦次郎が何をしようが、何を言おうが、どんな弦次郎も好きだと肯定することに変わりない。

    満塁から弦次郎への恋愛感情と8年間の片思い満塁が弦次郎に対して恋愛感情を抱いた主なきっかけは「優しかったから」としているが、他にも部室での着替え中の後ろ姿にドキッとしてしまったなどの俗っぽい理由もある。日に焼けて汗ばんだうなじだとか、汗で張り付いたシャツだとか、横顔だとか胸だとか脚だとか、全部が色っぽく見えて息を吞むしかなかったという。
     元々野球にしか興味が無いながらも恋愛の対象は異性で、何度かは告白されて彼女が出来たりもしていたが、部活漬けで特に何も進展しないまま振られてばかりいた。満塁自身、恋愛には縁がないと思っており、後に8年間も片思いするほど一人の相手に夢中になるとは想像もしていなかった。
     好きになった当時から弦次郎に彼女がいたことは知っていたし、そもそも自身の恋愛感情が成就することはないと理解していたので、永遠に秘めたままにするつもりだった。あくまで弦次郎を慕う後輩のまま、彼の姿を遠くから眺めるだけ。満塁にとって弦次郎がどんなに特別な存在でも、実は弦次郎から見れば大勢いる後輩の中の一人でしかない。それでもまあ、後輩の中では可愛がられている方かもしれないが、やはり満塁だけが特別ではない。その程度の位置から、弦次郎のことを見ているだけで良かった。誰かを好きになる日が来るとは微塵も思っていなかった満塁からすれば、好きな人がいる生活は何もかも新鮮だったから。
     弦次郎が先にプロ入りして大学を卒業したあと、満塁は彼のファンとして応援した。球場にも足を運んだし、金が無いながらもタオル等のグッズを買って掲げてみたりもした。後を追うように満塁もプロ入りすると、弦次郎とは同リーグながら別の球団になってしまったが、自主トレに同行するようになった。オフの短い期間でも、また大学時代のように弦次郎と練習できる時間は楽しかった。弦次郎が結婚を報告した際には、まるで自分のことのように祝福した。勿論動揺が無かったといえば嘘になるが、動揺したとして何が変わる訳でもない。それに、弦次郎の幸せそうな顔を見ていることが、満塁の幸せだった。しかしいつかはこの片思いを断ち切って、別の方向を向かなければならない。元から叶う訳もないと諦めている恋なのに、弦次郎のことが好きだという一心で片思いを続けているだけ。どこかですっぱりと弦次郎への想いを断ち切れば、視野が広がって他の誰かと出会えるかもしれない。実際、合コンやら先輩からの紹介やらで出会いの機会だけはやたらにあるし、ありがたくもアプローチを仕掛けられるようなこともあったが、弦次郎のことがちらついて断ってばかりいる。だが、弦次郎のことを忘れさえすれば、前に進めるのかもしれない。弦次郎のことを忘れさえすれば、片思いを止めさえすれば。でもそれは今すぐでなくても良いんじゃないか。もう少しくらい弦次郎のことを好きでいても良いんじゃないか。何といっても、同一リーグであるために弦次郎とはしょっちゅう顔を合わせるし、オフには自主トレで朝から晩まで行動を共にする。弦次郎への想いを断ち切ろうとする度、そうして彼と顔を合わせてばかりいたら、やっぱり好きだと思い直してしまう。
     弦次郎が同じチームへトレードされると聞いた時には、思わずその場で飛び上がってしまいそうだった。ただ、怪我が原因でのトレードと判っていたから、心から喜ぶことは出来なかったが。とにかく、それからはやはりまた、満塁はすっかり昔のように彼を慕う後輩として弦次郎の傍を着いて回った。それが弦次郎にとって鬱屈した感情を生み出してしまうのだが、満塁は気付かなかった(※別項「満塁は俺のことを美化している」参照)。
     やがて弦次郎は妻子と別れ、独り身になる。満塁はただただ弦次郎の感情に寄り添い、悲しみに暮れる彼の言葉を気が済むまで聞いていた。その頃には、弦次郎にとって満塁は大勢いる後輩の中の一人ではなく、気の許せる相手になっていた。食事に行ったり飲みに行ったり、偶に遊びに出かけたり、互いの家に上がり込んで酒を飲みながら他愛の無いことで盛り上がったり、気が付けば2人は一番仲の良い相手にまでなっていた。皮肉にも弦次郎は独身になったことで、特にオフなどの自由な時間を持て余していたからだ。満塁としてはもう今の立場で十分に幸せで、この関係を壊したくはない。けれども、8年間ものあいだ想い続けてきた感情と、ついに彼の親友にも近い立場になれたことで、それ以上を望んでしまった。オフシーズンになり、満塁は弦次郎と食事をしたあと、外の風に当たりながら歩いているとき、思い切って告白をした。季節は冬に近く、夜景はもしかすると綺麗な場所を選んだかもしれないが、なにぶん告白をすることに頭がいっぱいで、正直周りの景色なんて見えていなかっただろう。8年間分の感情を吐き出すと同時に、目の前のひとが本当に愛おしくて堪らなくて、涙が出そうになるのをこらえる。仲の良い友人だと思っていた奴がいきなり告白をしてきただけでなく、さらに涙まで流されたらきっと弦次郎も困るだろうという頭だけは何故か働いていた。実際、弦次郎は困惑していたし、少し困った顔もしていた。それからようやく満塁はやってしまったと冷静になり、冷や汗をかきながら弦次郎の様子を伺う。テンション任せに一方的に気持ちを打ち明けて、この状況を受け入れなければならない弦次郎の立場については一瞬忘れてしまっていた。結局、その場で何か進展することはなかったが、弦次郎は返事を待ってほしいと言って帰った。そこから数日間、満塁はひたすらに生きた心地がせず、後悔ばかりしていた。あのままで良かったのに、8年間も我慢してきたのに、どうして勢いに任せてしまったのか。大学時代からずっと好きでしたなんて、冷静に考えると気持ちが悪いと思われているかもしれない。いや、弦さんはそんなことを考えるような人じゃない。でも友人として心を開いていた人間から、まして同性から唐突にこんなことを言われて、しかもチームメイトとして毎日顔を合わせるのだから、どう傷付けずに断ったものか一生懸命に考えてくれているのかもしれない。だとすると申し訳ないし、自分はなんてことをしてしまったのだろう。そんなことを延々と頭に巡らせながら、満塁は眠れぬ数日間を過ごしていた。
     数日後、まだ明るい時間に弦次郎からのLINEに呼び出され、満塁は慌てて家を飛び出す。呼び出された先は多分、あの日、満塁が告白をした場所だとは思うが、只でさえあの時は頭が真っ白だった上、昼に見ると全く別の景色に見える。とにかくどういった断られ方をするのか、あわよくば絶縁されることだけは何とか避けたいとばかり満塁は考えていたが、弦次郎の方はというと、普段と変わらない調子で告白の返事を返してきた。内心は緊張していたようだが、それ以上にテンパっていた満塁からはそう見えなかっただけらしい。結果として2人は付き合うことになり、満塁は盛大に肩の力が抜けた後、改めて弦次郎からの良い返事を噛み締めて喜んだ。8年間の片思いが遂に実るも、ここまでくると逆にどう感情を表現していいのか判らない。ただ、ひとしきり喜んでから、いきなり弦次郎を抱き締めようとして拒まれた。確かに人目はあまり無いにしても軽率だったし、何より弦次郎としては付き合うと言ったものの、まだ満塁を友人以上として見られていないのだろう。ただ、独り身になって以来、久しく満塁と共に食事や外出に過ごした時間は楽しかったし、いざ告白をされて意識をしながら振り返ってみると、嫌悪感はなく、むしろ耳が赤くなるようだった。気色が悪いと感じることもなく、そうやって好意的に捉えてしまえるくらいには、つまるところ弦次郎も満塁に惹かれる部分があったのかもしれない。よくよく考えてみれば8年間も想いを寄せながらそうとは感じさせず、ひたすらに惚れた相手の幸せを願い続けていた満塁の辛抱強さや一途さには、引くことを通り越して尊敬の念すら感じてしまう。ずっと良い後輩を演じ続けるだけで、自分の感情は押し殺したままで、好きな人が幸せになりさえすれば良いと思っていたのか。周囲のどれほどの人間が、自分のことをそれだけ大切に思ってくれるのだろう、と考えたとき、弦次郎は胸の奥が痛くなった。だからこそ満塁の告白に応えようと決めたし、まだ必要以上に触れ合うことを拒んでしまうが、少しずつ恋人らしくなっていくつもりでいた。

    下(しも)の話、初体験の話何やかんやあって良い雰囲気にもつれ込んだ際、好機を逃すまいと満塁が弦次郎を押し倒すまでは良かったが、そこで2人はやや揉めてしまう。痛いのは嫌だ、という理由から、弦次郎は挿入される側にはなりたくなかった。
    「でも、弦さん俺に勃たんでしょ」
    ただ、満塁の一言が全てだった。この頃には弦次郎もすっかり満塁との距離感が無くなり、彼と恋人らしい距離で触れ合うこともキスをすることも当たり前になっていたが、そういった行為で時に顔を赤らめこそすれ、未だ満塁の、つまり男の体に対して欲情は出来ずにいた。満塁も弦次郎以外の同性には微塵もいやらしい気持ちにならなかったが、弦次郎にだけは安易に反応してしまう。
    「俺は弦さんのこと見てるとやらしい気持ちになるんで、じゃあもう、そういうことじゃないすか」
    行為を行わないという選択肢は無いのか、と頭の中で訴えながら、しかし弦次郎は渋々受け入れるのだった。一応は文句を言ったり、怖い痛いと喚いてみたり、どうせ満塁は止めないだろうと判った上での些細な抵抗である。何といっても満塁の逸物は大きく、大学時代から何度かそれを寮の風呂場などで目にしたことはあった。ただしそれはあくまで平常時のもので、初めて目の当たりにする勃起状態は更に大きく、弦次郎は思わず涙目になりそうであった。やや諦め半分で受け入れる気になった弦次郎を前にして、いざ夢にまで見た行為に及ぼうとすると、満塁はまた頭の中が真っ白になってしまう。何を隠そう野球一筋の人生を送ってきたばかりにこういった状況とは無縁で、僅かに交際した女性たちとは見事に何もしていない。プロ入りをしてから女性を宛がわれることもあったが、弦次郎に惚れていたから、全て何かしらの理由をつけては避けてきていた。つまるところ満塁は当時26歳で『童貞』であり、実はいざこういう場面のためにとスマホや何やらでこっそりと予習をしていた筈が、弦次郎に覆い被さったところで思考が一気に吹き飛んだ。8年間に及ぶ片思いのあいだ、どうせ叶わない恋だと判っていながら、何度もこういった光景を夢に見た。今はそれが目の前にあって、緊張やら興奮やらでどうしていいのか判らなくなってしまっている。ただ、弦次郎の方も同性との行為に関しては初めてのことばかりで、緊張に固まる満塁のことをリードしてやれるほどの余裕は無い。互いに手探りの行為は拙く、おそるおそるで、そのうち緊張の反動なのか、どちらからともなく笑いが零れた。事ある毎に様子を伺い合うばかりで何も進まないのが馬鹿馬鹿しくて、逆に言えばそれだけ思いやり合っているのが愛しくなって、2人は自然と媾い始めた。弦次郎はとにかく痛かったようだが、満塁が心配する度に行為を中断しようとするので、唇を食い縛って耐えていた。満塁はそれに甘えて、彼の体を労わりながら初体験を果たす。行為を終えた後の満塁はしばらく呆然として、それは様々な思考を巡らせているようにも、何も考えていないようにも見え、次の瞬間には晴れ晴れとした表情でベッドに倒れ込んだ。そのまま弦次郎を抱き締めるが、弦次郎の方はずっと苦々しい表情のままでいる。正直、弦次郎の感想としては全く気持ち良くはなかったし、とにかく痛いか苦しいかで、終わった後も尻の辺りが湿っていたり感触が残っていたりして具合が悪い。それでも、夢中で愛されている間は心地が良くて、その時は満塁のことだけを考えていられた。
    まるで大それたことを成し遂げたかのように目を輝かせ、鼻息荒く抱き着いてくる満塁の頭を軽く叩き、弦次郎は苦笑いをしながら彼に身を寄せた。

    眞弓兄弟、弦次郎の甥弦次郎には鱗太郎という2つ年上の兄がいる。共にプロ野球選手を志していたが、高校時代に兄が交通事故に遭い、激しいスポーツが出来なくなってしまったため野球の道を諦める。以降、兄は自分が果たせなかった夢の分まで弦次郎の応援をしている。現在は妻と幼い息子の3人暮らし。
     弦次郎は甥を可愛がっており、甥も弦次郎に懐いているが、それはそれとして彼は満塁のファンである。
     
     
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