青薔薇の庭青年は不死の生き物だった。
それを不服と思ったことは無いし、困ったことも無かった。
同じ場所に定住出来ないとはいえ、趣味の読書のために新たな本を探しに旅立ってしまう為、やはり何一つ不自由せず過ごせてしまう。
ある時、青年は死にかけの子供を拾った。なんの気なしに世話をして育て、気付けば死ぬのを見送った。子供を育てる手前定住したが、移動するのも億劫に感じそのまましばらくそこにいた。ある時、養い児の生まれ変わりだという少年が自分を訪ねてきた。
また一緒にいたい言う彼をそばに置きまた次の生も見送った。
さてまた彼は来るだろうかと、見送った土地でしばし居を構えて待てば、やはりまた彼はやってくる。
「君は変わってますね」
1230