新米隊員の長い一日「あれ?地下への入口がピンク色の蓋なのはじめてみますよね?」
オペレーターのコリーが無線越しにそう言うと、新米隊員もマンホールの蓋の色に目を向ける。
「ここにも遭難者がいるかもしれないな。様子を見に行ってもらえるか?」
シェパード隊長の指示に従い、蓋を開け洞窟内に向かう新米隊員とオッチンたち。
新米隊員は洞窟に入ってすぐ脳みそがぐわんぐわん、と掻き回されるような感覚に違和感を覚え、思わず岩壁に手をついて立ち止まる。
どうやらオッチンとピクミンたちは平気らしく、心配そうに新米隊員の顔を覗き込んでいる。
「大丈夫ですか!?……!まって、あの扉に何か書いていますっ!」
「なになに…各層に配置されたトラップを解除して出口を目指せ………?トラップを解除しないと途中で地上に戻れないようだな…」
コリーは新米隊員の状態を気遣いつつ、扉に何か書いていることに気づいた。隊長が読み上げると、どうやら途中で地上に戻ることができないらしく、新米隊員は洞窟に入ってからずっと謎のふらつきに意識をもっていかれそうになりながらも表情を引き締める。
このときは想像していなかった。とんでもないトラップばかりが仕掛けられた、今までで一番肉体的にも精神的にも過酷な地下洞窟攻略になるなんて───。
『新米隊員の長い一日』序章・終
■その他(なんちゃって)サンプルページ
①
「ゲートを開くには扉についているモニターに提示された条件を満たす必要があるようで…」
「……ッ!ふざけるなよ!!!!」
「ちょっとなんで目塞ぐんですか見えないでしょう」
(オペレーター&レンジャー&新米隊員 ディは途中で助っ人にきた?
上の文章との整合性は深く考えてはいけない)
②
「……無線と映像オフにしてもらえますか?」
しばらく悔しそうに唇を噛みながら黙り込んでいた新米隊員が覚悟を決めるようにオペレーターに静かに要望を伝えた。
万が一に備えて無線だけは隊長と繋いだままにしておくことにし…………続きを読む
③
「今日は本っっっっ当にお疲れ様でした………救助者のIDカードを確認しますね…………モブオ=ジサンという方だそうです!」
コリーが情報を確認したところ、今回救助したモブオはイラストレーターで、商業でも個人でも活躍の場を広げているとある界隈で人気沸騰中の絵師だということが分かった。
「………有償依頼、後で受けてもらえるかなぁ」
「君はモブオさんのことを知っているのか?」
「……え?いや全然知らない人です」
新米隊員は隊長の質問に対して何故か一瞬慌てた素振りを見せたが、すぐに切り替えて長居は無用だと言わんばかりに地上へ続く出口へと足早に向かう。