とげのような(続き1)【ピッコロ】
ヒットの声は風の音に紛れて余計にはっきりと聞こえた。
その隙間は、確かにヒットの細められた目だった。
......その奥の柔らかな温度は誰のものだろう。
[また涙が流れている]
ピッコロの手が無意識のうちに伸びて、何かの物を掴み、彼自身の方へ持ち去った。
[もう一人にするな。]
未知の物体を掴んだピッコロは、まるで宝物を取り戻したかのようにそれを抱きしめた。
暗闇が赤く照らされ、夜の冷たさに直面したヒットは、言葉を失って振り返り、掛け布団を剥ぎ取った犯人を見つめた。
思わずため息がもれた。ヒットはそう遠くない場所に置かれた通信機器を手に取り、ウェブサイトを閲覧した。(続)
原文
【“比克。”】
希特的声音在风声中格外明显,听得太多了。
那条缝隙的确是希特眯起的眼睛。
……背后柔软的抵触,又是谁的温度?
[你的眼泪又流出来了。]
来不及多加思考,比克的手下意识伸出,抓住了某样物体,向自己的方向带走。
[不要再留我一个人了。]
抓住不知名的何物,比克如同重获珍宝般,将其抱在怀中。
黑暗里亮起一抹红色,面对夜里的寒冷,希特无言地转过头,盯着把被子扯走的罪魁祸首,而后又转回到黑暗中。
无奈地一声叹息从嘴中溜出,希特拿起放置在不远处的通讯设备,浏览起网站。(続)