とげのような(続き2)ヒットは眠っていなかった。
まぶた越しに明るい空間の光を感じながら、ピッコロは覚醒する前に聞こえた音を分析した。
それは寝息の音ではなく、呼吸の持ち主だけが意図せずコントロールできる、かろうじて聞こえる呼吸音だった。
[こんな夜更けに何してるんだ、本当に隣で眠れないのか?]
急に目が覚めた不満と、それに対する不安。 前日の夜もそうだったのか、ヒットはピッコロの機嫌を気にして、誰かの隣で眠れないことを告げていなかった。
何も言わずに眠りにつくより、もっとよく知るべきだった。ピッコロはそのまま眠りにつくと、とても安らかで、自分の身体が嫌になった。
[いいね]
何がいいんだ? ピッコロは目を開け、すぐにまた目を細めた。 なんでまた体がヒットの方を向いているんだ、ちくしょう。
眩しすぎる。一体何を見ているんだ? 何が良かったんだ?
「......夜にメッセージを読むな」
ピッコロの足がヒットを蹴った。 その効果は、二人を隔てる布団の層によってかなり弱められ、相手をベッドから追い出すには至らなかった。
「目を痛めるぞ」
「すぐに消す」
[俺のことを気にかけてくれているのか......?]
いいねの話はどこへ行ったんだ? ピッコロは混乱し、はっきり考える前に明るい光が消えた。
ピッコロは突然の暗闇に狼狽し、聴覚を研ぎ澄ませて瞬きをした。
何かが平らな面に着地していた。ヒットが設置した通信装置だ。 そして何かが手足に擦れる音がした。
ピッコロが徐々に暗闇に慣れてくると、目の前にシルエットが現れた。
布団が持ち上げられ、熱を持った手が彼の曲げた膝と彼の下に押し付けられた腕をそれぞれ掴んだ。
な、なんだ? 熱でやけどを負ったようにピッコロの身体は縮こまり、さらに強く掴まれた。
またやるのか? 明日はもっと遅くまで起きているから、もうやめてくれ、とピッコロは思った。
[もっと頼られたい。]
思考が戻り、ピッコロはもがくのをやめた。 彼の腕の中に余分な身体があったのはほんの数秒のことだった。
ヒットの息が胸を叩き、少しくすぐったかった。 いったい誰が誰を頼りにしていたのだろう? ピッコロは掴んでいない腕を腕の中の紫色の頭の肩に置き、その手は自然と後頭部の割れ目に置かれた。
その亀裂をそっと撫でると、まるで心の亀裂が実体化し、同じように何かに撫でられるようだった。
[......心地いい......まるで......。]
まるで何だ......? 再び眠りが訪れた。 とげのように、息の切れ目がわずかに刺さったが、そんなことはどうでもよかった。(続)
原文
希特没在睡觉。
隔着眼皮感觉到空间内的亮光,比克在清醒前,对着听到的声音分析道。
并非是睡着的呼吸声,现在几乎没有声音的呼吸,只有呼吸的主人在无意的控制下才会做到。
[这么晚不睡觉干什么,你果然是在我身旁睡不着吗?]
突然清醒的不满,还有对此的不安。可能之前的夜里也是这样,希特在意他的心情,没有说出自己在别人身旁睡不着的事实。
早知道说什么也要回屋睡了,比克讨厌自己直接睡着的身体,太安逸了。
[这个不错。]
什么不错?比克睁开眼,很快又眯起眼。他的身体怎么又面向希特了,该死的。
太亮了,究竟在看什么?什么不错?
“……不要在夜里看消息,”比克的脚踹向希特。隔着一层被子,效果被削弱许多,没能把对方踹下床,“有伤视力。”
“马上就好。”
[居然在关心我……?]
哪里在说话?比克困惑着,还没等他想清楚,亮光消失了。
比克在夜里眨着眼,因为突如其来的黑暗感到不安,所以听力更加敏锐了。
什么东西落到平面上了,是通讯设备被希特放到原位。肢体与什么的摩擦声,是回到床上了吧。
比克逐渐适应了黑暗,眼前也多出一个轮廓,是希特。
被子被掀开了,带有热度的手分别抓住他弯起的膝盖与压在身下的手臂。
干什么?比克被热度所烫,身体往回缩,结果被更用力的抓住了。
又要做那种事情?比克心想,明天我会起来更晚的,快住手。
[想被你多依赖些。]
思绪又进来了,比克停下挣扎。也就几秒,怀里多出一具身体。
他人的呼吸拍打在胸前,有些发痒。究竟是谁在依赖谁啊?比克将没被抓住的手臂放在怀里紫色脑袋的肩膀上,手自然放置在后脑勺的裂缝。
轻轻抚摸着那道裂缝,仿佛心中的裂缝被实体化了,同样在被什么抚摸着。
[…好舒服……好像]
好像什么……?睡意又一次的袭来。如刺一般,呼吸的裂缝被微微刺痛,但也没关系了。(続)