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    yue_kreis

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    yue_kreis

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    冗長になりそうなので供養

    2023/8/25雨のひどく降る日だった。
    雨雲が日を遮り、陰鬱とした空。三階渡り廊下に少女がひとり、白の格子の隙間から残暑、夏の終わりを感じさせる風が踝を撫でる。彼女はアカショウビンが鳴いていたのを思い出した。無性に寂しかった。アリーナの改装工事で体育館は使えず、久しぶりのオフになった彼女は、足早に下足室へ向かった。
    ローファーに履き替え、折り畳み傘を鞄から取り出そうとした彼女の手は、その男を見て止まる。
    湿気を帯びて潰れた朱色の髪。いつだって見てきたその背中は、彼女の知らないところで逞しく立派なそれに育っていた。そんな逞しい背中は愁いを帯びていた。
    「新開」
    彼女の声に振り返り、男はふと微笑む。何よりいつも通りの優しい笑顔とは裏腹に、表情に影が落ちているのは明らかだった。重く下がる瞼から覗かせるコバルトブルーは、蛍光灯の光を拒む。
    「どうした、元気がないな」
    「いやあ」
    「何があったのかは知らない。新開、うちに来い。その調子だと部活にはいかないんだろ?」
    「ありがとな、でもいいよ。凌クンに悪い」
    「気にするな、あいつは合宿で……今は家に私しかいなくて、寂しかったんだ」
    舞に気を留めることもせず、新開は悠然と足を進める。下足室の硝子戸をくぐり、鞄を漁る素振り。「あ、傘忘れちまった」道化た声で言ってみせた。
    「今のお前は、放っておいてはいけない顔をしている」
    「ははは……参ったな」
    「なぜ隠す?」
    「……カッコ悪いだろ?」
    舞は新開の一挙一動を観察する。口角は変わらず上に、困り眉、へらへらと人工的な笑みは、いつも通りだなと思った。

    「舞」
    玄関に鍵をかけた途端、熱が少女の小さな背を包む。首筋に鼻息がかかり、くすぐったい。女性向け一人用の小さな折り畳み傘を共有したところで、雨よけには気休めにしかならず、彼の前髪のひと房の雫は少女の制服の青を一段濃く染めた。
    「ステイだ、玄関だよ」
    「待てないさ、連れ込んだのは舞だろ、責任とってくれ」
    「ばか、新開!」
    鞄の落ちる音がした。手探りで乳房をとらえ、それから、ふしくれだった大きな掌が恥骨を覆う。少女の艶やかな黒髪を指で払うと、シルクの美しい素肌が露わになる。首筋を紅一点染めあげ、音を立ててそこに再び口づける。
    「しんか、い」
    グリップを握り続けて十数年、固いたこが張る指の腹が、そのしなやかさとは裏腹に、バレー部主将を思わせるうっすらと筋肉のついた内腿を摩擦する。舞が首を傾げ、視線をちらりと背に向けると新開は彼女の少し受け口の愛くるしい唇を襲った。上唇を甘噛みしてみると開いた隙間に厚く肉付きのいい舌をねじ込む。少女のすべっこい舌が、そして粘膜が、薄暗い玄関で光沢を示した。
    吐息が劣情を駆り立てる。背中に、恋人の──幼馴染の、熱をもって張り詰めた陰茎がポンプのように収縮と拡張を繰り返しているような感じがした。平生の彼女からは想像もできないほど歪んだ表情は、興奮、将又本能的恐怖によるものか。早く、はやく、私を傷つけてみせろ! 欲しがる少女の腰は猥らに揺れていた。スカートの裾から侵入した逸る手がショーツをおろすと、触れてもいないのにバルトリン腺液からとめどなく溢れ出、粘液が膣口から内腿を伝って垂れる。気丈な少女は愛する男の投げやりなさまにすっかり絆されて、子宮は得体の知れない飢餓感から呻き声をあげていた。
    右手の中指と人差し指で陰核目掛け小陰唇をなぞる。熟れて収穫を待つ陰核を根本から摘まむとたまらず喘ぐ。
    「ああ、あっ、新開!」
    「みっともないぜ、舞」
    「あ……!」
    膣液をたっぷりと絡めた指で蕾の表皮を押し上げ、不躾に伸び尖った爪で刺激を加えてやると、少女の華奢な身体全身にたちまち電流が走る。細く白い首は顎を前に突き出し、仰け反る背中は波を打つイルカだ。持て余した情動が、媚びるような甘ったるい声で男の名前を叫ぶ。陰核を親指の爪で掻き、火傷しそうなほど火照る膣壁を中指が侵すと、吞み込んで離さない。下品に水音を立てられ、完膚なきまでにいじめつくされた少女の肉体は、刹那、シナプスがぷつり、と音を立て焼き切れたように眩い光を迎え、痙攣が彼女を襲った。尿道は勢いよく潮のにおいのする透明な液体を床に叩きつけ、モルタルの地面に残る雨水と浸透してゆく。
    「新開、おまえ!」
    「ああかわいいよ、舞。おめさんなら全部受け止めてくれるだろ? なあ、まい。いつもみたいにさ……」
    誤魔化すように口を吸う。
    「お……おまえは本当にどうしようもないやつだ!」
    「はは……好きに罵ってくれよ」
    罵声を浴びる姿は不思議と心地よさげで、乾いた笑みは自らを嘲笑しているようにも思われた。避妊具を付ける素振りすら見せず、新開は舞を壁に追いやる。あられもない姿を晒し、少女の矜持はとっくに傷物になっていた。弛緩した少女の肩に反し、恐悦至極の再来を待ち、興奮冷めやらぬ様子で血色をほとばしらせるは水蜜桃。熟れに熟れた女陰は、はち切れそうなほどに膨張した新開の陰茎を誘う。
    頼りない腰を掴み、自らの腰を押し付ける。あてがう間もなく一気に貫いてみせると、彼女は悲鳴さえも失い、掠れた空気だけが喉から零れた。腰を曲げ、深く潜り込ませては腰を浮かす。中に埋められた雄芯が臍の裏の壁を抉る。恋人の形しか知らない少女の膣は、先端が子宮口の溝にずっぷりとはまる度に歓喜の音をあげた。耳を塞ぎたくなるほどの卑猥な粘着音が発情を訴えてくる。
    「舞、きもちいい? ごめんな、優しくできない、余裕がない」
    「し、んか」
    「舞も……まいも、めちゃくちゃになってくれよ。オレ情けないよ、ほんとはこんなことしたくないんだ、うそじゃないぜ。ああでもすっげーエロいよ、最高だ」
    内臓を押し上げられる。その度、不愛想な少女もひっきりなしに火焔の短い嬌声をあげる。
    本当は全部話してほしい。でも私もそんな欲張りを隠してるんだ、だから、おまえが隠し事をするのだって許してやる。ほんとは、今みたいに傷つけられること、望んでたんだ。でも、ちょっと悔しいんだよ、ばかみたいだろ。私だって女なんだ。私のことが好きなら、傷の一つくらいつけてくれ。おまえが何をしたって、堕ちるとこまで堕ちたって、ついていってやる。何があったって、おまえは、私の愛する男だ。
    朦朧とする意識のなか、少女は、そう思った。

    「死なば諸共……だ! っあ、案ずるな、新開!」

    彼もまた、はっとした。
    彼が少年のころ大切にしてきたかたちのないもの。

    思い出すのはいつも同じ景色だ。手入れの施された、オレの宝物。サーヴェロに乗って、夢中になって野山の道を走った。隣には三つ下の弟が大きなハンドルをぎゅっと握って、一生懸命俺を追いかけて、ああオレは昔から直線が得意なんだ。誰にも負けない。最後は決まって家の近所のあずま屋までの前の道を競争だ。楽しかった、ただ夢中だった。

    どこにいってしまったのか、どこに置いてきてしまったのか。取り留めのない孤独、オレの手元に残るものは?

    「舞」
    「全部うけとめてやる、うけとめてやるよ。いつだっていっしょにいてやる」
    背中に伝うのは先ほどの雨か、そんなものはすっかり乾いてしまったに違いない。では汗か? 違う。ひとつ、深呼吸が聞こえた。平常心を保つ目的のそれは、かえって弁をだめにした。内側から──心臓の叫びが、滂沱の涙となって溢れ出る。
    「愛してる」
    嗚咽交じりの声が言う。
    「……雨音がうるさくて、なにも聞こえないよ、隼人」
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