この願いも御伽噺ではなくて 所詮は、御伽噺のようなモノだと見做していた。
星のカービィ。遠いポップスターにいるという、皆のヒーロー。そんな都合のいい奴が現実に存在するものかと、どうせ空想の類、誇張された噂話だと。
◇◇◇
『キミはナンデ、みずシラズのボクなんかをタスケテくれるの?』
星のカービィ。向こう見ずなオヒトヨシ。彼のそのような性質を都合よく利用しながらも、思考を心底理解できず、最後の最後に意味無くぶつけてしまった問いかけ。こちらの妙にざわつくココロを察するはずもない彼は、きょとんと黒くて青い瞳を瞬かせるだけだった。訝しむ素振りは一切見せずに、なんでそんな事を聞くのかと、ただただ不思議そうな顔をした。
同時に観念した。これは、理解不能な生き物だ。わかりきっていた答えを再確認して、さっさと話題を終わらせた。
3502