事前に分担した物と個別に用意したプレゼントを持ち寄ったこはくとHiMERUは、予定時刻の五分前に集合場所に集まった。Crazy:B四人での待ち合わせでは有り得ないスムーズな集合に二人は微笑むと、軽く挨拶を交わして目的地へと向かう。本日は十月五日。椎名ニキの誕生日である。これからサプライズパーティーを仕掛けるべく、先に燐音が待つ寮へと向かうのだ。
「ニキはん!?」
しかし、今日は四人の貸し切りにして貰った寮の共有スペースに向かうと、キッチンで見慣れた人物がフライパンを振るっていて、こはくが思わず声を上げた。
「あ、こはくちゃん、HiMERUくん。おつかれっす〜」
色とりどりの野菜を飴色のソースとフライパンを振って器用に絡め合わせ、皿に盛り付ける。一息吐く間もなく次の動作に移りながら、ニキは二人に気付くと爽やかに笑いかけた。
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