僕と太子と竹中さん「太子ー! どこに居るんですか〜っ!!」
僕を呼ぶ声……ではなく、太子を呼ぶ声で目を覚ました僕。ふと手元に視線を落としてやると、机一杯の書類が目に入る。
想定外の事態に思わず声を上げてしまいそうになるのをグッと堪え、一先ず1番上の書類を手に取り眺めてみる。
……あれ、この書類って、だいぶ前に僕が太子に渡した筈じゃあ……。
何か不備でもあり戻ってきたのだろうかと考えたものの、それは無いだろうとすぐに首を横に振る。
それなら訂正箇所ぐらい事前に伝えられて渡されるだろうし、そもそも僕は昨日その日の分の仕事をきっちり終わらせて帰った筈である。
……なら、今のこの状況は何だ?
夢かと思い頬をつねってみるも、痛みは健在である。あまりの惨状に思わず溜め息を吐き、何だかどっと疲れが押し寄せて来たのでそのまま床に寝転べば、心地の良い眠気がさしてくる。
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