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    comeco

    @happyota2

    字書き。
    銃三が主。たまにさまさぶ、帝独、D4

    @happyota2

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    comeco

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    銃三

    浮気現場 なんだ、これ。
     
     今日は確かに来るって言ってなかった。それは僕も悪いのかも知れない。
     
     ………………
     
     玄関には家主の靴が丁寧に並べてあった。リビングやキッチンに人の気配はない。
     
     まだ寝てるのか?
     
     そう思って寝室へと向かう。
     ドアを開けようとした時中から声が聞こえた。
    「おいおいそっちに行くな。こら!全く悪戯ばっかりして」
     
     甘い声。こんな声色……あんまり平時には聞いたことがない。
     頭が急激に冷えていく。同時に身体も心も。
     
    「やめろ。そんなとこに乗るな。こーら。ふふ、くすぐったいな」
     
     いやいやいや。なんだ?なんなんだ……
     
    「撫でられるのはイヤか?柔らかくて気持ちいいな」
     
     え……
     
     ドアの前で硬直したまま動けなくなる。僕にさえこんなに自然な甘さで接してきた事もない気がする。
     
    「ほら、抱っこさせて。そんなに嫌がるなって」
     
     ええ……
     
     ドアを背に崩れ落ちるようにしゃがみ込む。
     
     なに?え?どういう?
     浮気?
     うそ……
     
     ガチャっとドアが開く。
     
    「ああ。来てたのか。こんなとこで何してるんだ?」
     
     僕がいながら浮気なんて許せない!と思い涙が出そうになりながらキッと上を見上げ銃兎を睨む……と目に入ってきたのは銃兎の腕の中にいるふわふわな猫。
     
    「え?」
    「ん?」
     
     ねこちゃんを抱っこした銃兎を見てホッとしたのか溜まってた涙がツーっと頬を伝った。
     
    「は?なんだ!なにかあったのか?」
     
     急な僕の涙に銃兎が慌ててしゃがみ込む。僕は何事もなかったかの如く涙を拭いて「それ、どうしたの?」と聞く。涙声だったのはご愛嬌だ。
     
    「ああ、左馬刻の舎弟の猫だ。数日左馬刻とシゴトしに行くらしいから預かったんだ。可愛いだろ」
     
     にゃーんと間延びした鳴き声を発して銃兎の腕から飛び降りてまたベッドルームへ戻り寝心地の良いベッドの上で丸くなった。
     
    「あーあ。すっかり気に入られたな」
    「なんでベッド……」
    「昨夜寝る間際に左馬刻が来て置いていったんだ。寝たかったからそのまま寝室で放置して置いたらよほど気に入ったのか俺が追い出されそうになったんだよ」
    「……可愛がってたくせに」
    「ほう……たまには猫もいいな」
    「は?なにが?」
    「いや、それよりお前今日来るって言ってたか?」
    「暇だからきたの!僕もねこちゃんであーそぼーっと」
     
     ベッドの上の毛玉に駆け寄って行く。
     
     猫は丸まったままパタパタとしっぽをゆっくり振っていた。
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    comeco

    DOODLEじゅうさぶ
    鳥が嫌いなじゅーとが可愛いフクロウと出会う話
    ※フクロウはさぶちゃんです。
    ぜんぶ全部妄想です。
    闇夜に出会うは森の賢者「お母さん、この鳥知ってる?」
    「どれ?梟?」
    「魔法使いの男の子と一緒にいるんだ。ペットなんだよ。」
    「へー。梟は幸せを呼ぶのよ。あと賢さの象徴ね。」
    「でも鳥だよね……」
    「そうね。銃兎は鳥嫌いだもんね。」
    「嫌いじゃなくて苦手なの!鳥なんて可愛いのかなあ。」
    「そうね。お母さんも飼ったことないけど愛情があれば苦手でも可愛く見えるかもしれないわね。」
     
     目が覚める。懐かしい夢。母が出てくる夢なんて何年振りだろう。子供の頃読んだ魔法使いの男の子は梟を飼っていた。本で見るイラストの梟は飛ばないし、鳴かないのでこれなら可愛いかもと思っていた。
    「理鶯、交代しますよ。」
     このところ野営地が騒がしく理鶯から睡眠を少し取りたいという申し出がありキャンプに来ている。食事をご馳走すると言われたが左馬刻は今忙しくしていて一緒に来られないと言われ生贄なしで理鶯の食事は摂取出来ないので仕事中に食事を済ませているからすぐに仮眠だけさせて欲しいと食事だけは丁重に断った。仮眠を取った後理鶯を休ませた。
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