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    comeco

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    銃三が主。たまにさまさぶ、帝独、D4

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    銃三

    ひとりの休日 日曜日の昼下がり。普段なら仕事だが今日はたまたま非番だ。天気も良く心地よい風が窓から入ってくる。部屋の掃除をして、洗濯も終わり一段落してコーヒーを淹れて啜る。
     週末の休みがあると恋人である山田三郎と過ごす事が多いのだが、今日は生憎萬屋の仕事が入っているらしくここには来られないと連絡があった。俺としてはそんな事より会いに来いと思うのだが、三郎は兄弟最優先主義のため俺は本日フリーになってしまった。
     
     たまには一人で何処か行くか
     
     そう思い美術館を検索してみる。しかし興味を惹かれるものは今から行くには遠すぎる。水族館、博物館など静かで楽しめる場所を携帯端末で漁っていたが、案内の写真を見ているだけで癒されてしまい行動にまでは至らなかった。
     
     身体も休めないといけないしな。まあゆっくりしよう
     
     面倒臭さが結局勝ってしまい締まりのない部屋着のまま一日過ごす事が確定した瞬間携帯の呼び出し音がけたたましく鳴る。
     
    「はい」
     
     …………
     
     はあ。バカに勉強教えるってほんとストレス。
     
     今日の依頼は「家庭教師」だった。たった二時間、中学受験をするという小学生の先生をしてきた。僕は全然普通の公立中学に通ってるんだから中学受験の指導なんてできないって断ろうと思ったのにいち兄が「大丈夫です」と快諾してしまったから結局やる事になってしまった。準備のために問題集を本屋でパラパラ見たけど受験ってこんなに簡単な問題が出るのかと逆に引いてしまった。そしてそのつもりで教えに行ったのだが、思いの外苦戦した。応用力が壊滅的だなと思いつつ点数を取れるよう基礎固めを重点的にしてきた。これを来週もやるのかと早くも気が重い。
     
     疲れた。甘いもの……とびきり美味しいのがいい
     
     …………
     
    「ねえ、おやつ食べに行きたい。連れてってよ」
    「なんですか、いきなりわがままですねえ。まあ、そんなところも好きですが。何がいいですか」
    「うーん甘いのがいいな。お腹空いてるから早くしてよね」
    「仕方ないですね。一時間で行きますよ」
     
     口では気乗りしないような言い方をしたが頼られるのは悪くない。急いで支度をして迎えに行く。
     
     振り回される事が嬉しいなんて俺もヤキが回ったな。
     
     
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