芭琉くんが好き。
わかる、それはいつも言ってるって思うじゃん?違うんだよ。今日はいつになく芭琉くんが好き。
「ねぇ、戮」
「なぁに?」
「ちょっと隣に来てほしいな」
ソファーに座ってる芭琉くんが俺を呼んだ。勿論と言うように駆け足で向かって、隣にぼすっと腰掛ける。芭琉くんは「ありがと」と言って目を細めて笑った。ちょっと目線を下に泳がせてから、
「変な事言うかもなんだけどね」
「うん」
「…今日はいつもより、戮に、甘えてもいい?」
と、首を傾げながら聞いてくる。少し困り眉なのが心臓に悪い。
「え、そんなのもちろんだよ〜!芭琉くんだったら何でも嬉しい!」
「やったあ〜」
と言うと、芭琉くんは両腕を伸ばして抱きついた。世界一大好きな人がそばにいるって考えただけで幸せなのに、今は俺の腕の中にいて俺に甘えてる。一生このままでもいいかも、とか思ってしまう。
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