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    south_we27

    @south_we27

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    south_we27

    DOODLE募集したセリフで存在しないSSを書くやつその1です。
    いただいたセリフ→「俺のオトモ、強すぎ……?」
    その後普通に走ったんだけども ガガガガガ、と堰を切ったような銃声が響く。ひらりと翻した髪の毛の先がちりちりと火花に焦げ付くのを感じながら、星導は逃げ込んだ路地の先にへたりと座り込んだ。
     なぜこんな、西部劇じみた異常などんちゃん騒ぎに付き合わなければならないのか。理由はさっぱりわからないが、少なくとも巻き込まれた身であることだけは確かだ。そこらじゅうを厳しい顔つきの黒服たちが駆け回っているのを認めて星導ははあ、とため息をついた。今日は早く帰れる予定だったのに。懐に抱え込んだ骨董品をぐ、と抱き込む。今日最大の戦利品であるこの品は貴重ではあるがそのぶん脆い。まかり間違っても傷のひとつも付けるわけにはいかなかった。
     星導の住む場所から少し離れた町で開かれた骨董市。電車を数本乗り継いで訪れたこの場所で出会ったのは多くの貴重な品々と、そしてそれよりもっとずっとたくさんの暴漢たちだった。多分、よからぬ連中の抗争か何かにたまたま出くわしてしまったのだろう。西の土地にはあまり治安のよろしくないような場所がぽつぽつと存在していたし、普段は足先のひとつも向けないようなここがそういった場所柄をしていてもあまり不思議ではない。
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