恵風和暢(※フウカム♀支援S話) 一つ息を吐き、いつも通り伺いを立てる。果たして徐に開かれた扉の向こうから壮年の男が姿を現すとカムイの面差しに喜色が溢れ、二人の間で最早習慣となっていた稽古へ誘い出した。
「まあ待てカムイ。先に話しておきたい事があるのだが、よいか。」
「ええ、構いませんよ。」
普段なら二つ返事で応じた後連れ立って訓練所へ行くか、或いは直接現地で合流しそのまま取り掛かるのが通例なのにと首を傾げる。一方で些細な違和感が話を遮る理由も無く、相槌を打つに留める。
「カムイ……お前はこの戦いが終わったらどうする?」
「そう、ですね……」
透魔城地下にて母ミコトから聞かされた事実は少なからずカムイに衝撃をもたらすと同時に、使命感の萌芽を促した。
「私は白夜王女であり、暗夜王女であり、それ以上に紛うことなき透魔の王族でもあります。ですから……きっと、透魔の為に尽くす事になるのでしょうね。」
未だ本懐を遂げるには至っていない故不明瞭ではあったが、直に揺るぎない意志へと変じていくのだろう。終わり無き道程を思って形作った笑みに苦さが滲む。一方で曖昧な表明を目の前で聴いていたフウガはけしてカムイを愚弄せず頷き、ただ静かに双眸を見据えて切り出した。
「ならば、私がその隣に並び立ってもよいだろうか。……互いに支え合える伴侶として。」
「伴侶、ってまさか……」
「ああ、言葉通りの意味だ。」
* * *
こっからカム男支援の内容も交えつつ想いを確かめあってゴールイン、がだいたいの流れになりますよしなに