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酷い倦怠感と全身の震え、悪寒に頭痛。
四限の講義を受けている最中から急激に身体が重くなり、終わる頃には周りから口々に「藤真、顔色悪いぞ」と指摘をされてしまった。
突然の体調不良に少々戸惑いつつも、家まで送ってやろうかと言う友人らの提案を取り繕った笑顔で断り、とりあえず部活を休む事だけを伝える。悪化する前に…と早々と帰路についたのだが、電車を降りた頃には膝が震え出してしまっていた。
吐き気が無い事だけが救いだ、と思いながらさほど遠く無いはずの自分の家までを泥沼を掻く様に懸命に歩き続ける。そしてやっとの思いで辿り着いた部屋のドアノブを掴むと、全身の体重を使ってドアを引いた。
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