その花言葉は酒精と煙と喧騒。様々な色や柄を重ねた布でできた大型テントの中は薄暗いが、ここに来ている酒呑み達にはそこまでの光量は必要ない。ランプと松明の炎によって人々は赤ら顔をより朱に染めながら酒を飲み、酒菜を喰らう。異国情緒溢れるテントの中、独特なリズムの太鼓と、打楽器。笛の音がより人々の杯を進ませる。
砂漠のオアシス横にあるこの街は、行商人や楽団などのキャラバンが多く立ち寄る。それは娯楽が少ない街の人達にとっては心のオアシスと言っても過言では無い。今回この街へやってきたキャラバンは昼間は大道芸を。夜はこうして酒の席に合うような音楽を奏でながら時折芸を披露して盛り上げていく。時刻はそろそろ針が天辺へ。時間的に最後の演目が行われる。
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