懺悔せよ(仮)太宰に別れを告げてから二週間になる。
告げたと云っても一方的に伝言を送っただけだが。解ってる。このままで良いわけがねぇ。解ってはいるが‥‥。
別れを告げた時は不覚にも涙何ぞ流してしまったが、時間が経つにつれて怒りの方が強くなってきた。
俺にあれだけ愛してるだの、俺だけだなんて云っておきながら何食わぬ顔で女を抱いてやがったンだ、奴は。
だが其れを赦したのは俺だ。
見て見ぬふりをしたンだ、文句は云えねぇ。
抱いたことは文句云わねぇが、接吻は別だ。接吻は特別だったンだ。
それが唯一、俺と奴が恋人である証みたいなもんだったンだ。
それなのに‥‥クソッ。
このまま太宰に会ったら何も云わずに息の根を止めてしまいそうで会えねぇ。
1789